韓国のITの未来を牽引する、「新成長動力」に関するビジョンと発展戦略が発表された。
新成長動力企画団(以下、企画団)と、コンテンツコリア推進委員会(推進委員会)は、それぞれの分野における、新成長動力の課題を選定し、これを発表した。
企画団は産業界・学会・研究機関の約360人以上が参加して発足した団体で、韓国政府の知識経済部の管轄。推進委員会は、「2012年にコンテンツ産業において、世界5大強国を実現する」という政府の目的実現のため、同じく産・学・研の専門家にて構成され、文化体育観光部の管轄となっている。
企画団では、6大分野と、この分野に含まれる22の新成長動力を選定している。これらは当初、企画団が挙げた400個以上の課題の中から、検討を重ねて最終的に22個にまで絞られたものだ。
新成長動力企画団による、新成長動力の項目 |
コンテンツコリア推進委員会による、新成長動力の項目 |
企画団によると「気候の変化や高齢化社会など、現行の問題を解決しながらも高成長が予想される分野として、エネルギーや環境、バイオなどを選定」し、「世界市場の規模、国内企業の占有率、韓国の技術力などを考慮して、輸送システム、NewIT、融合新産業分野を選定」、「雇用創出の側面やその他事業への波及効果を考慮して知識サービスを選定」したという。
22項目を見てみると、"環境"や"融合"といった、現在のIT界で注目され開発が進められている項目の他に、ディスプレイや半導体といった、韓国が得意としている分野も盛り込まれているのが分かる。
一方、推進委員会では、コンテンツに関する3つの新成長動力を発表している。次世代コンテンツ育成、グローバルゲームハブ構築、キラーコンテンツ開発といった項目だ。
これら新成長力に関する項目は、管轄部署が異なるだけに「それぞれの管轄部署によって、別々に推進されていく」(知識経済部)予定だ。
こうした課題を制定することの目的は、ずばり経済発展だ。企画団と推進委員会によると、こうした項目の実現による生産額は、2008年時点の116兆ウォン(約10兆6,018億8,140万円/1円=0.0913ウォン)から、2013年に253億ウォン(約23億1,230万円)、2018年には576億ウォン(約52億6,438万円)に増加すると見込んでいる。また輸出額では、2008年の1,208億米ドル(約12兆7,927億2,052万円/1円=105.9ドル)から、2013年は2,069億米ドル(約21兆9,107億1,064万円)、2018年は2,954億米ドル(約31兆2,828億6,196万円)と予想する。さらに「2013年までは88万、2018年までは226万」(知識経済部)という雇用創出効果も見込まれている。
こうした大規模なプロジェクトを成功させるため、今後、政府では、文化観光、金融、国防などの各部署と総合的な計画を立てた後、持続的に推進していけるよう管理体制を整える予定だ。