富士フイルムは、1つのセンサで「ノイズの少ない高感度」、「豊かな階調を実現するワイドダイナミックレンジ」、「高解像度」の3種類の高画質撮影を高いレベルで実現するCCD「スーパーCCD ハニカム EXR」を開発したことを発表した。

スーパーCCD ハニカム EXR

同CCDは、人間の眼が明るさによって解像力や感度を変化させるメカニズムに着目することで、1つのセンサで被写体に合わせて、「低ノイズの高感度撮影重視」「広ダイナミックレンジ重視」「高解像度重視」の画像をキャプチャすることができる仕組みを取り入れた。

構造としては、斜め方向に同色の画素が2つ隣り合った構造「Pixel Fusion Technology」を採用しており、この隣接した2つの画素を1つの画素とすることで、フォトダイオードの面積を2倍とし、感度も2倍相当へと引き上げることが可能となる。このため、1画素からゲインアップして感度を向上させるよりも、ノイズの少ない高画質画像をつくることが可能となる。

Pixel Fusion Technologyの概念図(偽色が出にくいため、解像度を維持できる)

また、斜め方向に隣り合わせた同色画素をそのまま組み合わせる新開発の「C.I.C.(Close Incline Coupling)」方式の採用により、混合画素間の距離を短くし、偽色の発生を抑えることを可能にしており、これにより、クリアでシャープな画像を得ることができるようになった。

さらに、同CCDでは1回の撮影で、電気的に露光時間を調整して、受光量の異なる2つの画像データを作る手法「Dual Capture Technology」を採用。これにより、これらを合成し、高感度と低感度の2つのデータから1つの画像を生成することが可能となり、ダイナミックレンジの拡大が可能となる。

Dual Capture Technologyの概念図(高感度画像データと低感度画像データを組み合わせ最適化を行うことで、ダイナミックレンジを拡大させる)

なお、ダイナミックレンジの拡大については、「EXR方式」を採用。隣接した同じサイズの2つの画素に、露光時間を制御することによって2つの異なる感度を持たせる「Dual Exposure Control」技術を採用したことにより、従来の異なる面積の画素を組み合わせる「SR方式」や撮影感度を制約する必要があった「HR方式」と比べダイナミックレンジを拡大することができるという。