イージェネラは、SAPとの協業の一環として、ドイツ、米国に続いて、世界で3番目の「SAPコンピテンスセンター」を、東京都新宿に開設すると発表した。開設は10月1日の予定。

イージェネラとSAPは、すでに2005年よりグローバル・テクノロジー・パートナーとして、イージェネラ社のデータセンター向け仮想化システム「Egenera」をSAPプラットフォームとして提供しており、海外では約30社に導入されているという。また、SAPドイツ本社内には「SAPコンピテンスセンター」を設けており、SAPが提唱するハードウェア資源を動的に割り当てるアダプティブ・コンピューティングに準拠した製品の認定も得ている。

イージェネラ 代表取締役社長 大木稔氏

SAPコンピテンスセンターでは、SIerやユーザーに、アプリケーションの動作確認やサイジングの環境を提供する。日本におけるSAPコンピテンスセンターの開設には、半年ほど前からユーザーから強い要望があったという。そして、ドイツ、米国、日本それぞれのコンピテンスセンターでは、人員、機材を含め1つの資源として、チームとしてサービスを提供するという。

イージェネラ 代表取締役社長 大木稔氏は「今回のSAPコンピテンスセンターの開設は、日本におけるイージェネラの市場を伸ばしていくのに非常に重要である。もともと、イージェネラは金融のお客様が多かったが、日本においてはSAP様との協業により、製造業や流通業のお客様を開拓し、今後1年間で最低5社の顧客を獲得したい」と述べた。

米イージェネラ 社長兼CEO マイク・トンプソン氏

米イージェネラ 社長兼CEO マイク・トンプソン氏は、同社が提供する仮想化の優位性について、「他社が提供する仮想化というのは、ハイパーバイザを提供し、ハイパーバイザの管理をするというものであった。我々のEgeneraは、サーバの仮想化だけではなく、I/Oインフラも仮想化することによって、バーチャルとフィジカルの統一的な仮想化や、災害復旧も提供することができる。そして、インフラを仮想化することによって、資源をプール化して使うことができ、システムをピークに合わせて、ジャストイン タイムで利用することができる」と述べた。

SAPジャパン代表役社長 ギャレット・イルグ氏

記者発表に同席したSAPジャパン代表役社長 ギャレット・イルグ氏は、両社の協業について「イージェネラ、SAP相互のお客様に価値をもたらすだけでなく、競争優位性を高めることになる。そして、両社が協力することによって、ROIを最大限に高めることができる。企業というのは、単に生きながらえればよいという存在ではない。将来の成功に備えて準備も整えていかなくてはならない。我々の協力を活用することによって、安価なインフラを構築でき、それによって、企業を次のレベルに上げることができる」と語った。