FPGAベンダの米Actelは24日、宇宙飛行アプリケーション向け耐放射線性フラッシュベースFPGA「RT ProASIC3」ならびに同アプリケーション向けにDSPを搭載した「RTAX-DSP」を発表した。
RT ProASIC3は、同社のフラッシュベースFPGA「Pro ASIC3」のアーキテクチャに基づいたFPGAで、60万ゲートの「RT3PE600LL」および300万ゲートの「RT3PE3000L」の2製品がラインナップ。1.2~1.5Vの範囲の電源をサポートしており、電源の小型化などを実現することが可能となる。また、フラッシュベースのため、SRAMベースのソリューションで必要となるトリプルチップによる冗長化も不要とすることが可能である。
同ファミリに関しては、MIL-STD 883クラスB規格認証をめざすテストが現在進行しており、2009年上旬に完了する予定としている。また、パッケージとしてはRT3PE600Lが、484ピンのCCGAおよびLGAパッケージを採用し、RT3PE3000Lが484ピンおよび896ピンのCCGAおよびLGAパッケージを採用しそれぞれ提供される予定。
一方、RTAX-DSPは、同社のアンチフューズベースの耐放射線性FPGA「RTAX-S」と積和演算(MAC)を独自に組み合わせ1チップに搭載したもの。400万ゲートの「RTAX4000D」ならびに200万ゲートの「RTAX2000D」の2製品が用意されている。
RTAX4000Dには、120のDSP演算ブロックが用意されており、各ブロックは-55℃~+125℃の全域で125MHz以上、18ビット×18ビットの乗算が実行可能となっている。また、RTAX2000Dは、64のDSP演算ブロックを備え、総合的な信号処理能力として80億/秒を超す乗算機能を実現している。
また、演算ブロックには、宇宙での重イオン放射によって生じるSEUやSET(Single Event Transients)を軽減する機能が内蔵されている。
こちらもRT ProASIC3ファミリと同様、MIL-STD 883クラスB規格の認証を目指すテストが行われており、2009年に完了する予定としている。2製品ともに1,272ピンで、CCGAおよびLGAパッケージにて提供される予定としている。