11月4日の本選挙に向けて本格的な選挙戦に突入した米大統領選挙で、民主党のバラク・オバマ上院議員と、共和党のジョン・マケイン上院議員の各候補者を、労働政策から見た支持率を示す調査結果がこのほど公表された。
調査は、雇用・労働問題を専門とする世界最大の弁護士ネットワークEmployment Law Alliance(ELA)が、全米の18歳以上の労働者1,159人を対象に、民主党と共和党の候補者の発表後、米労働省が失業率が6.1%に上昇したことを発表するまでの間に行われ、米国人労働者が懸念する労働問題について問われた。
その結果、米国人が心配する労働問題として、51%が「現在の仕事の失業後に新たな就労先を見つけられるか」を挙げ、最も多かった。以下、「社会保険の負担額」(45%)、「経済状態の悪化による失業の可能性」(37%)、「グローバル化に伴う就労機会の減少」(28%)の順に続いた。また、これらの項目に対して、オバマ氏とマケイン氏の政策を比較した場合、いずれの項目でもオバマ氏の支持率が高かった。
一方、国家・経済問題に対して次期大統領が優先すべき政策課題では、「医療支援」(45%)がトップ。以下は「エネルギーコスト対策」(41%)、「石油の外国輸入依存の抑制」(39%)、「国内における代替エネルギーの欠如」(21%)の順で、これらの項目のうちマケイン氏の支持率が高かったのは「石油の外国輸入依存の抑制」のみで、ここでもオバマ氏優勢の結果となった。
そのほかの項目で、マケイン氏がオバマ氏より支持を集めたのは「高齢の労働者が長く職場に残ることによる昇進機会の減少に対する配慮」「不法移民労働者との競争による失業の可能性」「グローバル経済における米国の競争力の保証」「不法移民の管理」の4つで、外交政策に関連した政策で支持される傾向にあることが伺える。一方、全体で15項目あるうちの10項目でオバマ氏に軍配が上がり、労働政策の支持ではマケイン氏よりも圧倒的に優位にある状況が示される結果となった。また、中でも両候補者の評価が目立って分かれている項目は「不法移民政策」(マッケイン氏60%、オバマ氏13%)、「米国企業による海外アウトソーシングを規制する法律の整備」(オバマ氏51%、マッケイン氏15%)、「代替エネルギー問題」(オバマ氏44%、マッケイン氏30%)だった。