米MicrosoftのPowersetチームは9月17日(現地時間)、Live SearchとPowersetの技術統合に関する最初のプロジェクトが完了したと報告した。PowersetはMicrosoftが今年7月に買収した自然言語検索を研究する企業。同チームのプロダクトマネージャであるMark Johnson氏によれば、買収完了から1ヶ月以内に3つのプロジェクトの作業が完了し、今後さらに深いレベルでの技術統合を進めていく計画だという。
今回統合についてのアナウンスがあった3つのプロジェクトのうち、1つは検索で応答可能な"クエリー"の拡充を目的とする。例えば「San Francisco weather」のようなクエリーを入力すると、検索結果にサンフランシスコの現在の天気予報情報が表示される。またアーティストやブロガーといった有名人の名前を入力することで、xRankに基づいた人気ランキングや関連写真、アルバム情報などを検索結果として引き出せる。だがこうした形で対応可能なトピックはごく限られたもので、残りの多くのクエリーでは通常の検索結果のみの返答にとどまっているのが現状だ。そこでPowersetではFreebaseのデータベースを活用し、上記のような形で対応できないクエリーに対して、Freebaseのデータを返すような仕組みをLive Searchに組み込んだ。
2つめのプロジェクトがWikipediaの表示方法の変更だ。現在、どの検索エンジンでも検索結果の上位にWikipediaのページが出現することが多く、これはLive Searchでも例外ではない。そこでWikipediaのページが検索結果として表示される場合、検索キーワード以外の単語も太字化して、見出し部分の内容の明瞭さを高めるようにした。
3つめのプロジェクトは関連検索の表示で、これはPowersetのFactzエンジンを使用している。例として示されているのが「Gandalf」というキーワードで、これを基にした検索結果のページには関連検索候補として「Frodo」「Sauron」といった"指輪物語"の登場人物がずらりと並ぶことになる。
また一方でPowerset側のページでも改良が進んでいる。例えばPowerset上でWikipedia検索を行った場合、ページの右上に「Related Articles」という関連検索の項目が出現する。ここで表示されるデータはLive Searchをベースにしたものだ。
今回Powersetチームが発表したのは上記3つのプロジェクトだが、今後もより深いレベルでの両社技術の融合を進めていく意向だとJohnson氏は説明する。