サイボウズは、2009年1月期の中間決算説明会を開催。連結の売上高は、前期比17.8%マイナスの48億400万円、経常利益は、前期比24.3%増の5億3900万円となったと発表した。連結の売上高が減少した理由としては、前期に比べ連結子会社が2社減少したことを挙げ、一方、業務委託費等の人件費が抑えられたこと、連結子会社の減少によりのれん償却額が減少したことなどにより、経常利益が増えたとした。
連結の通期業績は、売上高85億円、経常利益7億円と予想。前半期の経常利益5億3900万円に対し、下半期の経常利益を1億6000万円程度としている点については、下半期に集中的に宣伝費を投入(1億円)する点と、景気後退のリスクよる厳しい状況が続くと予測している点を挙げた。
サイボウズ代表取締役社長 青野慶久氏 |
説明会で同社代表取締役社長の青野慶久氏は、今後も中小企業向けの「サイボウズ Office」と、大企業向けの「サイボウズ ガルーン2」の2大ブレンド化を推進し、グループウェア事業に集中していく意志を表明。そのため、グループウェア事業に関係のない子会社を整理するなど、さらにグループの再編を進めるという。
その一方、「グループウェア事業については、日本では一番になったが、海外では無名なので、海外展開において組めるパートナーがいれば、資本提携を持ちかけることも視野に入れている」(青野氏)と語るなど、海外展開に積極的な姿勢を見せた。
同社はこれまで、サイボウズOfficeを中心に、導入や初期設定の容易さなどを武器に中小企業をターゲットに販売を伸ばしてきた。しかし、今年の4月には、1万人規模にも対応できる大企業向けのグループウェア「サイボウズ ガルーン2 ver2.5」を発表。大企業向けに、企画・構築・カスタマイズ・運用を直接サポートするSI事業を開始したり、これまでの代理店経由だけでなく、直接営業を行うMA営業部を新たに設けるなど、販売体制を強化している。その結果、サイボウズOfficeなどのかんたんシリーズの売上高が前期とほとんど変わらないのに対し、ガルーンシリーズは今期、6000万円余り(前期比)売上げを伸ばしている。青野社長が「9月からが勝負」と語るなど、今後も注力していくつもりのようだ。
一方、サイボウズOfficeも、来年4月にOffice8へのバージョンアップをひかえている。Office8では、エンドユーザー指向の機能強化を多く取り入れ、ユーザービリティの向上のほか、セキュリティ機能の強化やトラブル時の原因調査にかかる時間を短縮するためのサポート機能の充実などが予定されている。これにより、同社では前期中間期に比べ売上の落ちているかんたんOfficeの販売回復を図りたい考えだ。