Texas Instruments(TI)は、ICの発明者で2000年のノーベル物理学賞受賞者のJack St. Clair Kilby氏の名前を関した研究所「Kilby Labs」の設立に向けたプロジェクトを、同氏がICを発明してから50年目にあたる2008年9月12日に発足させたことを発表した。
同研究所は、同氏がICを開発したTIの研究所にちなみ、米テキサス州ダラスにあるTI North Campus Facilityに設立される予定。大学の研究者やTIのエンジニアリーダーなどを集め、半導体技術のイノベーションを生み出すための研究を行うことが計画されており、特に医療機器のモバイル化や低燃費自動車のための電源など、差別化要因となる技術革新を実現するチップ開発へ向けた取り組みが行われることとなる。
同研究所設立にあたり、同社の会長ならびに社長兼CEOのRich Templeton氏は、「私達の生活に影響を及ぼす技術はビジネスにとっても重要である。世界をより健全で、安全で、緑豊かな、楽しいものにするパワーは、半導体を通してTIが日々求めているものであり、それこそがJack Kilbyを世界初のICの創造に導き、そのアイデアと発明によって世界の変革をもたらした」とコメントしている。
なお、同研究所のディレクターには、TIのフェローであるAjith Amerasekera氏が就任する。同氏はディレクター就任以前には、ASIC部門のCTOを務めていた。