NECは16日、米Unisysとの協業による初の共通プラットフォーム製品としてハイエンドサーバ「Express5800/スケーラブルHAサーバ」を発表した。Unisys側の名称は「ES7000 Model 7600R」となっている。国内では、2008年11月28日より出荷を開始し、欧米、アジア地域においては2008年末から順次出荷を開始。価格は407万6,000円からで、3年間で1万台の出荷を目指す。
4Uのボックス(筐体)に、同日発表されたIntelのマルチコアプロセッサ「Intel Xeon プロセッサ X7460」もしくは「同 E7440」を4プロセッサ/24コアを搭載したエントリモデル「Express5800/A1040」ならびに、4Uのボックスを4台接続することで、最大16プロセッサ/96コアまで拡張可能なスケーラブルモデル「Express5800/A1160」の2製品が提供され、生産はNECの関連会社であるNECコンピュータテクノでUnisys分も併せて製造される。
NEC 執行役員常務 伊藤行雄氏 |
同生産に対し、NECの執行役員常務である伊藤行雄氏は、「UnisysとBtoBシステムで連携し、短リードタイム生産を実現。実働4日でBTO生産が可能」としたほか、「2009年をめどに北米を中心とした海外での生産も検討していく」とした。
1ボックスあたり、32のFB-DIMMメモリスロットを装備しており、4ボックスを接続した場合、最大で1TBのメモリをサポートすることが可能である(なお、8GB FB-DIMMは2009年第1四半期に製品化を予定している)。
また、主要コンポーネントを二重化/冗長化したほか、独自のチップセットによりデータのECC保護、メモリRAS(保守性)機能としてメモリミラーリング、メモリスクラビング、チップキルを装備することにより、メインフレームクラスの信頼性ならびに可用性を実現している。
さらに、サーバに搭載されたハードウェアの障害監視、構成変更などを行う専用プロセッサ「EXPRESSSCOPEエンジンSP」により、障害解析力を向上、故障箇所の特定や詳細ログの採取が可能となった。
このほか、各パーツをユニット(フィールド交換ユニット:FRU)として構成することで、ラックからボックスを引き出さずにすべてのFRUの交換が可能となり、迅速な障害復旧が可能となっている。
サポートOSとしてはWindows Server 2003/2008のほか、高可用Linuxプラットフォームとして「Linux サービスセット MC」を新規に製品化。同製品は、新たに開発した基盤ミドルウェア群とRed Hat Enterprise Linuxを含んでおり、プラットフォームの可用性ならびに運用性の向上が可能となっており、「サーバ、ミドルウェア、OSを作りこんだことで、メインフレームに匹敵する可用性と運用性を実現した」(同)とする。
Linux サービスセット MCのミドルウェアとしては、主なものとしては、障害検出/ログ収集機能を強化したほか、ハードウェア障害児のクラスタ切り替え時間短縮や、障害の即時検出、通報機能などを備えた「障害検出・ログ収集機能」。OSの性能情報を定常的に収集するほか、稼働状態を可視化、性能ボトルネックを解明する「性能分析ツール」。表無単位にハードウェアリソースを割り当てることが可能なほか、業務間の干渉を抑制し、大規模サーバにおける安定稼働を実現する「リソース管理」などが用意されている。
なお、これらのOSは、ボックス単位でのパーティショニングが可能であり、Webコンソールからのパーティション構成変更が可能となっているほか、リモートKVMを用いることで、遠隔地からパーティション単位でサーバの操作が可能となっている。
仮想化基盤は「VMware ESX 3.5」のほか、「Hyper-V」、「Citrix XenServer」に対応しており、ボックス単位のパーティション分割機能により、複数パーティションで仮想化基盤の分割利用が可能である。