Charles Babbageが設計したDifference Engineは、コンピュータの歴史を紐解くと、その初期を飾る機械式の計算機である。バベッジが最初に設計したDifference Engineは英国政府から予算を得て開発を開始したが、完成には至っていない。

その後、1847年から1849年ころに、このDifference Engine No.1の設計を改良し、1/3程度の部品数で同等の性能を持つDifference Engine No.2を設計したが、このマシンは製造されることはなく、このバベッジの設計が正しく、本当に動くマシンが作れるのかどうかはわからなかった。

その後、バベッジの生誕200年に合わせて、ロンドンのScience Museumが、1989年から1991年に掛けて、バベッジの設計に基づいてこのDifference Engine No.2を建造し、バベッジの設計の正しさを確認した。また、2002年には計算部に接続されるプリンタ部を完成させ、バベッジの設計から153年後にDifference Engine No.2全体を完成した。

このほど、このマシンの2号機が製造され、シリコンバレーにあるComputer History Museumに展示されることになった。実は、このマシンは今年の5月に同博物館に設置され、オープニングの招待も戴いていたのであるが、シリコンバレーまで行く機会がなく延び延びになっていたが、今回、HOT CHIPS 20の取材に合わせて訪問し、対面が叶った。なお、このマシンが同博物館に展示されるのは1年間程度であり、その後、あちこちの博物館を廻ることになるそうである。

Computer History Museumに展示されたDifference Engine No.2(以下、写真は筆者撮影。Computer History Museumに掲載の許可を得ています。)