米EMC、米IBM、米Microsoftの3社は9月11日(現地時間)、異なるベンダーから提供されるEnterprise Content Management(ECM)のレポジトリ間で相互互換性を持たせるインターフェイス仕様の開発で提携を発表した。Content Management Interoperability Services(CMIS)の名称で定義されるインターフェイスはXMLのWebサービスをベースにしており、OASIS(Organization for the Advancementof Structured Information Standards)での審査プロセスを経て標準化を目指す。最終的なゴールはマルチベンダー環境でコンテンツレポジトリに互換性を持たせ、ITシステム構築の難易度やコストを大幅に引き下げることにある。
日々蓄積されるビジネスデータを一元管理し、コンプライアンスに沿った形でアーカイブし、適時検索や監査機能を提供するECMは、ITベンダー各社が近年最も力を入れている分野の1つだ。EMCのDocumentum、IBMのFileNet、MicrosoftのSharePointなどは、この分野での主力製品にあたる。従来まで、これら製品同士、またはコンテンツレポジトリを利用するアプリケーションなどと連携させる場合は専用のコネクタを用意したり、システム連携のためのインターフェイスを記述するなど、マルチベンダー環境を構築するSIや顧客企業に大きな負担を強いてきた。またシステムメンテナンスの面での課題も多い。これらの負担を低減し、さらにシステム利用の利便性を向上させるのがCMIS標準化の狙いだ。
今回の発表によれば、2006年末から上記3社に、Alfresco Software、Open Text、Oracle、SAPの4社を加えた計7社でCMISのドラフトの準備を進めており、直近の会合でOASISへの標準化提案を前にしたCMISの相互互換性検証を行っていたという。既存のコンテンツレポジトリを含むマルチベンダーでの相互運用を実現し、コンテンツとWebサービス部分の運用を独立させることでコンテンツ管理の独立性を保つ。切り離された既存のWebサービスに代わり、共通のWebサービスとWeb 2.0に準じたインターフェイスを提供することで、アプリケーション開発をさらにシンプルなものにするという。CMISの技術仕様のドラフトは、EMC、IBM、Microsoftのそれぞれのページで確認できる。