Zend Frameworkの最新版となるZend Framework 1.6が公開された。Zend FrameworkはPHPで構築されたPHPアプリケーション開発向けフレームワーク。PHPを活用してエンタープライズクラスのWebアプリケーション開発を実施できるという特徴がある。
Zend Framework 1.6で拡張された機能は次のとおり。
- Zend_Paginatorコンポーネント - 大規模データセットを表示するための新しいコンポーネントの導入
- Zend_Wildfireコンポーネント - Wildfireプロトコルに対応した新しいロギングコンポーネント。ログデータをFireBugコンソールへ出力できるようになる
- Zend_File<_transfer>
- Zend_Text_Figletコンポーネント - Captchaで活用できるコンポーネント
- Zend_Config_Xmlコンポーネント - XML属性サポートの追加による高可読性XMLドキュメントの作成機能提供
- Zend_Search_Lucenコンポーネント - Lucene 2.3インデックスファイルフォーマットに対応
- Zend_Toolコンポーネント - ZFベースのプロジェクトを生成したり管理するためのコンポーネント(現在開発段階にある)
- メディアビューヘルパーにおける組み込みFlash、QuickTime、Objects、Pagesへの対応
Zend Framework 1.6の最大の特徴はDojoとの統合にある。同統合によってサーバサイドの処理にZend Framework (PHP)が活用され、クライアントサイドビューにDojo (JavaScript)が使われるようになる。従来どおりPHPで開発しながら、Dojoの提供するUIやAjaxコンポーネントが活用できる。
またZend Framework 1.6では新しいZend_Soapコンポーネントの提供でエンタープライズグレードの機能が提供されているほか、テストドリブンなアジャイル開発にも適用できるように機能が拡張されている。Zend Framework 1.6そのものがアジャイルな手法を使って開発されたものだと説明されている。
1.6でDojoとの統合を進めたZend Frameworkは、次の1.7ではFlash技術との連系を強めるとみられる。リッチインターネットアプリケーション開発に適用できるフレームワークとしての方向性が示されている。