日立製作所は28日、従来製品比で約4.4倍となる最大容量4.8PB(ペタバイト、4,800TB)の中・大規模システム向け大型テープライブラリ装置「L56/3000」を発表した。価格は1,680万円からで、9月1日から販売を開始する。

大型テープライブラリ装置「L56/3000」

新製品はLTO規格であるUltrium4対応テープドライブを最大56台搭載可能であり、テープカートリッジは最大3,000巻収容できる。これにより従来製品と比べ約4.4倍の最大4.8PB(データ圧縮比を2:1とした場合。非圧縮時は最大2.4PB)の記憶容量を実現し、より大量のデータを長期に保管したいというニーズに応えたとしている。1時間あたり最大約24TBのデータをバックアップ可能であり、バックのためのサーバ停止時間を短縮した。

テープスロットは200-3,000スロットまで、テープドライブは1-56台までそれぞれ増設・拡張でき、バックアップするデータ容量や処理時間に応じたシステムを構築可能。テープドライブは次世代LTO Ultriumにも対応予定だ。

ライブラリの監視モニタを標準装備し、ネットワーク経由でWebベースまたは統合監視ソフトウェアから監視できる。さらに電源装置やテープの挿抜・搬送を行うロボット機構を二重化可能とし、装置の信頼性と可用性を強化した。

SAN(Storage Area Network)対応のためのファイバチャネルインタフェースを持ち、SANを介してHP-UX11i、Windows Server 2008、Windows Server 2003、AIX、SolarisなどのOSを搭載するサーバおよびこれらの混在環境でも利用できる。これにより、ユーザーのシステム形式にとらわれない効率的なバックアップシステムの構築が可能という。なお、現時点の対応機種は日立のBladeSymphony(BS1000)/HA8500/HA8000/EP8000/9000Vに限られる。