フィルタリング製品開発のネットスターは27日、「保護者向け技術説明」など、フィルタリングの普及・啓発に向けて同社が取り組む5項目について発表した。いわゆる「青少年ネット規制法」の1年以内の施行に向け、「フィルタリングという言葉の認知にとどまらず、実際の利用につながる働きかけを行っていきたい」(同社)としている。

ネットスターがフィルタリング普及へ向け開設した「保護者向け専用サイト」トップページ画面

「青少年ネット規制法」の正式名称は、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」。

ISPや携帯電話事業者に対し、親が解除を申し出た場合を除き、18歳未満の青少年が有害サイトを閲覧できないようにするフィルタリングサービスを義務付け。パソコンメーカーに対しても、フィルタリングソフトのプレインストールなど「フィルタリングの利用を容易にする措置」を義務付けている。1年以内の施行が予定されている。

同社によれば、同法の成立に伴い、フィルタリングをインターネット利用リスクから青少年を守るために有効な手段とする見方が定着する一方、「依然としてフィルタリングに対する誤った理解や過剰な期待も見られる」。

こうした状況を改善するため同社は、「特に今年度は、フィルタリングという言葉の認知にとどまらず、実際の利用につながる働きかけが重要な段階」と認識。そのため、以下の5項目について今年度取り組むと発表した。

  1. 携帯フィルタリングで使われるネットスターのフィルタリング用カテゴリ分類リストの内容について、保護者の疑問点解消に役立つ専用ウェブサイトを開設

  2. 携帯フィルタリングの仕組みを解説したリーフレットを制作し、関連セミナーなどで保護者向けに配布

  3. 地方自治体等などでフィルタリング普及啓発に主導的な役割を果たす、保護者や教員向けの講演や技術解説

  4. 家庭でのインターネット利用状況について調査を行い、保護者向けに結果を広く公開

  5. 保護者の判断材料にもなる「双方向利用型サイトの新たな評価モデルづくり」など、学識経験者の研究活動を支援

(1)の保護者向け専用サイトは7月末に開設。携帯フィルタリングに関する「よくある質問と答え」などを掲載しているほか、特定のウェブサイトURLについて、カテゴリ分類状況を保護者自ら確認することが可能となっている。

(5)では、「子どもたちのインターネット利用について考える研究会」をヤフーと共同で設立。同社では、「これら以外にも、フィルタリングの正しい理解を広めるために公的な会議などへの参加、報道機関などへの取材対応を行う」としている。