ルネサス テクノロジは、65nmプロセスを採用した汎用のデュアルコアプロセッサ「SH7786」のサンプル出荷を今年(2008年)10月より開始すると発表した。車載情報機器などで利用できる。年内には対応する開発環境の提供も行う予定。

「SH7786」は2個の「SH-4A」コアを搭載。動作周波数は最大533MHzで、1つのコアあたりの処理性能は960MIPSである。バスインタフェースとしてDDR3 SDRAMと3つのPCI Expressを備えている。そのほか、USB2.0やEthernet、SDホストインタフェースなどを備えている。

マルチコアプロセッサには大きく、1つのOSが各コアに処理を割り付けるSMP(対称型マルチプロセッシング)構成と、1つのコアに1つのOSや特定の処理を割り付けるAMP(非対称型マルチプロセッシング)構成の2つの構成があるが、同プロセッサはこの両方に対応できる。

動作温度範囲は-20~85℃または-40~85℃、パッケージは593ピンのBGA(外形寸法は25×25×0.8mm)。サンプル価格は8,000円で、カーナビゲーション機器をはじめとする車載情報機器のほか、アミューズメント機器やデジタル家電、産業機器などでの利用を想定している。

量産出荷の開始時期は2009年12月を予定してる。月産5,000万個からスタートし、2012年4月には月産20万個まで拡大する見込みという。

また、同プロセッサ向けの開発環境も提供する。現在、同社のプロセッサに対応したICE(ハードウェア製品)「E10A-USB(HS0005KCU04H)」が出荷されているが、これと組み合わせて使うソフトウェア統合開発環境を年内に発売する。

また、カナダのソフトウェアベンダであるQNX Software Systemsより、同プロセッサに対応したリアルタイムOS「QNX Neutrino RTOS」と統合開発環境「QNX Momentics」の提供が予定されている。