日本ユースウェアは21日、Web上でマンダラチャートを活用できるサービス『e-マンダラチャート』についての発表会を行った。ブラウザがあればどこでも最新版が利用できることに加え、同社ではWebの特性を生かして知恵の共有の場としても展開していく考え。

「マンダラチャート」は、仏教の智慧(ちえ)を表現するために生み出された「マンダラ(曼荼羅)」を原点とした思考法。約30年前、当時経営コンサルタントをしていた松村寧雄氏によって考案された。3×3の9マスで構成されるマトリックス(A型チャート)で、問題解決・発想整理・情報整理などにおける思考や実践をサポートする。マスの構造から、常に中心に据えたテーマを意識でき、さらに全体と部分との関連性を把握できることが特徴とされている。

マンダラチャートについては多くの書籍が出版されているほか、年間を通した人生計画/ビジネス計画から週間行動予定までをマンダラチャートで管理できる「マンダラ手帳」が発売されており、2008年版は丸善の手帳ランキングで7位に入るなどの人気商品となっている。

今回発表された「e-マンダラチャート」は、このマンダラチャートを作ることができるWebサービス。3×3マスという構造自体はMicrosoft Excelなどで簡単に作成できるため、これまで専用のアプリケーションは開発していなかった。これがWebで提供されることで、自宅/職場での利用や、他のメンバーとの共有が可能になるなどの利点があるため、Webアプリケーションの形で初めてデジタル化された。

マンダラチャート史上初のデジタル化となる「e-マンダラチャート」

中核となるマスにテーマを入力し、A~Hのエリアに関連する項目を入力していく

各エリアの項目を中心に新たにチャートを作成し、さらに深掘りが可能

作成したチャートのPDFを書き出し、印刷にも対応

保存されたチャートの一覧ページ

e-マンダラチャートの大きな特徴は、「MindManager」との連携が可能であること。MindManagerはイギリス発祥の思考法「マインドマップ」に基づいて米Mindjetが開発・販売しているソフトで、日本でも教育・ビジネスにおいて多くの導入実績がある。

用途に合わせて、あるいは見方を変えて情報整理が可能

いずれも発想や思考を支援するツールだが、MindManagerはより自由に、ビジュアル的に発想を広げていくのに適しており、マンダラチャートは全体と部分の関係性を考えたり、個々の項目をより深掘りすることに適している。同サービスではe-マンダラチャートのデータをエクスポートし、MindManagerで編集を行うことが可能。また、10月にはMindManagerのマップからe-マンダラチャートへのインポートにも対応する予定だ。両方を行き来することで、新たな視点、新たな発想が生まれることが期待される。

同社では今後、A型チャートを3×3マス並べた「B型チャート」や、人生計画表・ビジネス計画表などの事例やテンプレートの提供、またグループ利用のための機能拡張などを予定している。

正式サービスの提供開始は9月1日から。利用には有料の会員登録が必要で、料金は年間11,760円(980円/月)など。事前に21日間の無償試用が可能だ。対応ブラウザはInternet Explorer 6.0以上およびFirefox 2.0以上となっている。