XenSourceは22日 (米国時間)、仮想化ソフトウェア「Xen 3.3.0」をリリースした。WindowsやLinux、Solarisなど多くのOSをサポートする公式版、およびLinux v2.6.18専用のソースコードは、同団体のダウンロードページで公開されている。
2008年1月に公開されたv3.2に続くアップデートとなる今回のリリースは、当初v4.0としてメジャーバージョンが割り当てられる予定だったもの。CPU環境の識別機能 (CPUIDレベリング) がサポートされ異種CPU間におけるドメイン移行が可能になったほか、ゲスト仮想アドレスとホスト物理アドレスの変換テーブル「Shadow 3」の最適化によるパフォーマンス向上、2MBのEPT (Extended Page Tables) およびNPT (Nested Page Table) 拡張ページのサポートが追加された。
ゲストOS関連では、完全仮想化ゲストにおけるバーチャルフレームバッファと、準仮想化ゲストでのSCSIサポート (PVSCSI) が追加された。Intel VTアーキテクチャでのx86リアルモードの完全なエミュレーションも実現、動作対象のゲストOSが増加している。いわゆるグリーンコンピューティング機能も強化、CPUの電力制御機能 (C-StateおよびP-State) を利用したハイパーバイザにおける省電力が可能になっている。
ほかにも、CPUエミュレータ「QEMU」のエンジンのアップデートや、最新のネットワークカードにおけるマルチキューのサポート、準仮想化ゲストのドメインロック廃止といった変更が加えられている。