スウェーデンEricssonとスイスSTMicroelectronics(以下STMicro)は8月20日(現地時間)、携帯電話などモバイル機器向けの半導体およびプラットフォームを主事業とする合弁企業を立ち上げる計画を発表した。米Qualcomm、米Texas Instrumentsに次いで、第3位のモバイル半導体企業が誕生することになる。
Ericssonが2001年に設立したモバイル向け半導体事業部のEricsson Mobile Platforms (EMP)と、STMicroがオランダNXP Semiconductorsと立ち上げた合弁企業であるST-NXP Wirelessを組み合わせる。出資比率は50対50。Ericssonは、STMicroに支払う7億ドルを含め、合計約11億ドルを投資することになるという。ST-NXP Wirelessは今年8月2日に運営を開始したばかりで、STMicroは、パートナーのNXPから、NXPの出資比率である20%の株式を取得することで合意しているという。
2社は合弁会社の設立により、規模のメリットを引き出せるとしている。STMicroは現在、業界第5位で、2007年度の2社の売り上げを合計すると合弁会社は売上高36億ドル、社員数8000人の規模になる。モバイル半導体分野では、第3位の企業が誕生することになる。
STMicroはマルチメディアと接続ソリューション、2G/EDGEおよび3Gプラットフォームを、Ericssonは3GとLTEプラットフォーム技術を持ち寄り、2G/EDGE、3G、HSPA、LTE技術向けのモデム、マルチメディア、接続ソリューションを持つプラットフォームを提供する。顧客には、STMicroの顧客である最大手携帯電話メーカーのNokia(フィンランド)をはじめ、韓国Samsung、英Sony Ericsson、韓国LG、シャープが名を連ねることになる。
合弁会社の社名は未定で、本社はスイス・ジュネーブに設置する。開発・マーケティングを専門とする約7000人体制の会社、プラットフォーム設計を事業とする約1000人体制の会社の2社構成をとる。会長にはEricssonのCEO、Carl-Henric Svanberg氏が就任、STMicroは副会長としてCEOのCarlo Bozotti氏を送り込む。CEOはSTMicroが任命する予定。