ネットワークインフラ企業のカナダNortel Networksは8月13日(現地時間)、オープンソースのSIP技術を開発する米Pingtelを買収したことを発表した。買収金額など詳細は公開されていない。
Pingtelはオープンソースの企業向けコミュニケーション技術を開発するベンダーで、オープンソースのVoIPコミュニティSIPfoundryを立ち上げている。主力製品はSIPベースのIP PBX「SIPxchange」など。リアルタイムアーキテクチャ、相互運用性、プラグアンドプレイなどを特徴とし、企業は低コストでVoIPを実装できるという。
Nortelは今回、Pingtelを所有する無線LAN技術企業の米Bluesocketより、Pingtelの主要資産を取得した。2社はすでにOEMとして提携していたが、同社を取得することで中小規模企業(SMB)向けのユニファイドコミュニケーションを強化する。
ユニファイドコミュニケーションは、米Microsoftや米IBMなどソフトウェアベンダーと、米Cisco Systemsや米Avayaなどの通信技術ベンダーが競合する分野。
この分野でNortelは、電子メール、IM、カンファレンスなどの機能を業務アプリケーションに統合できるユニファイドコミュニケーションソリューション「Software Communication System(SCS) 500」を提供している。
SCS 500でNortelは、Pingtelのオープンソースコードを一部利用しており、同社を取得することで専門知識を獲得することになる。Nortelは声明文で、Pingtelの研究開発チームを取得することで、ソフトウェアベースのソリューションやIT中心のチャネル開発を加速することができる、としている。
これ以外にも、PingtelのソフトウェアベースのSIP機能を法人向けコミュニケーション製品の全ラインで利用する計画で、今後ソフトウェアにフォーカスするにあたってPingtelの技術を活用していく狙いがあると思われる。
オープンソースという意味では、Nortelはすでに、PingtelがSIPfoundryの下で開発を進めるオープンソースIP PBXプロジェクトの「sipXecs」に参加していた。同プロジェクトは300以上の機能やアプリケーションを発表しており、Nortelは今後、オープンソースエコシステムを確立させていきたいとしている。