米Googleは8月18日 (現地時間)、テレビ放送用に割り当てながら使われていない、いわゆる"ホワイトスペース"を利用した無線ブロードバンド接続サービスを実現するためのキャンペーンサイト「Free The Airwaves」をオープンした。FCC (米連邦通信委員会)が9月にも最終的な協議に入る見通しで、その前にホワイトスペース活用をエンドユーザーに幅広く訴える。

テレビ放送では隣接チャンネルの干渉を防ぐためのすき間が設けられているが、米国では「これらの周波数帯の3/4以上が完全に使用されていないホワイトスペースであるのが現状だ」(Free The Airwaves)という。そこでGoogleやMicrosoft、Intel、Dell、Hewlett-Packardなど、パソコン/ネット大手が中心となって、このすき間を無線ブロードバンド接続サービスに開放するようにFCCに働きかけている。実現すれば、ライトワンマイル問題やデジタル格差を解消するソリューションになり得る。一方で放送業界は、ホワイトスペースの通信利用が放送用電波との干渉につながると反論。また問題の周波数帯をワイヤレスマイクで既に使用しているスポーツ団体やブロードウエイの劇場なども懸念を表明している。

FCCは過去数カ月にわたってホワイトスペースを無線ブロードバンド接続サービスに利用するためのデバイスをテストしてきた。最終的な報告書が9月に提出される見通しで、その後に放送と通信によるホワイトスペース帯域の共有を協議し、年内を目処に結論を出す予定となっている。そこで、ホワイトスペースの現状や潜在的な価値、大規模な無線ブロードバンドサービスの可能性などを広く一般に説明し、エンドユーザーからの支援を得るために、GoogleはFree The Airwavesを用意した。同サイトではネイティブアメリカン・コミュニティにWi-Fiアクセスを提供するTribal Digital VillageのMatthew Rantanen氏、非営利ISPであるMountain Area Information NetworkのWally Bowen氏など、数多くの支持者が動画を通じて意見を述べている。訪問者も作成したコメント動画をアップロードして公開することが可能。またFCCに送られる嘆願書への登録、そのコメントのカスタマイズ作成を受け付けている。