The YUI teamは13日(米国時間)、開発段階にあるYUIのプレビューリリースとなるYUI 3.0 Preview Release 1を公開した。開発者に対し次期YUIがどういったプロダクトになるのかを知らせる意味合いを持ったリリースで、YUI 2系を採用している場合には早期に試しておきたいプレビュー版だ。3.0の一般公開は2009年に入ってからになるとみられる。
The YUI teamは30ヵ月に渡るユーザからのフィードバックを整理し、次の5つの設計目標を策定した。この目標を満たすために開発されている次期Ajax JavaScriptフレームワークがYUI 3.0だ。
- 軽量 (ほとんどの使用において通信中やページに表示されるコードの容量を小さく)
- 高速 (HTTPリクエストの削減、開発やコンパイルコードの削減、効率のいいコード実装)
- 一貫性 (名前規則、イベントシグネチャ、ウィジェットAPIの一般化)
- 強力 (少ない実装でより多くの機能提供)
- セキュア (同じ環境で作業する複数のデベロッパにとって安全で簡単に使える)
YUI 3.0はYUI 2.xのコードラインをベースに開発されているものの、5つの目標を達成するためにコアAPIの変更を実施してきたため2系との後方互換性は失われている。2系から3系へ移るには実装レベルでの書き換えが要求される。
互換性の欠如は多くのYUIユーザにとって苦痛を伴うものだ。これに対してThe YUI teamは2つの互換機能を提供するとしている。まずYUI Core (Yahoo Global Object、Dom Collection、Event Utility)に対する限定された互換レイヤを提供するという。同限定互換レイヤを使うことでYUI 2系向けコードの多くをYUI 3.0で実行できるようになる。もう一つはフルパラレル互換機能だ。YUI 3.0と2.xを同時に使える機能で、従来のコードを活用しながら3.0も併用できるようになる。
今回公開されたプレビュー版には3.0で実現される機能のうちいくつかは含まれていない。2008年10月に登場が予定されるプレビュー2や2008年12月に登場が予定されているベータで機能が追加されることになる。YUI 3.0で実現される機能は魅力的なものだ。YUI 2系を使っている場合には今回公開された3.0プレビューを早めに調査しておきたい。