米Yahoo!は8月12日(現地時間)、位置情報データの管理と利用をサポートするサービス「Fire Eagle」の一般公開を発表した。米国のYahoo! IDを使ってサインイン可能で、無料で利用できる。

マップ検索、ローカル検索、SNS、写真共有など、様々なサービスで位置情報がパーソナル化に用いられるようになった。その反面、対応サービスが増えるほどに、Webサイト、携帯電話、GPSデバイス、デジタルカメラなど位置情報を入力する方法も増加し、1人に対して同時に複数のロケーションが存在するような混乱も起こっている。Fire Eagleは、多種多様な位置データの入力方法と位置情報ベースのサービスを仲介するような役割を担う。ユーザーが自身の位置情報を安全にアップデート・管理する仕組みと、その位置データを開発者がそれぞれのサービスに利用するためのAPIの2つで構成されたオープンプラットフォームだ。ユーザーは位置データをすべてFire Eagleに送ることで、常に最新の位置情報にアップデートでき、それがすべてのFire Eagle対応サービスに反映される。一方デベロッパはFire Eagleにアクセスするだけで、位置情報データを用いたアプリケーションやサービスを低コストかつ容易に実現できる。

複数の位置情報入力を1カ所でアップデート・管理、複数のサービスで利用可能に

Fire Eagleは、Yahoo!社内でスタートアップのような試みを支援するプロジェクト「Yahoo! Brickhouse」から誕生した。今年3月にプライベート・ベータがスタート。これまでに旅行プラン・体験共有サービスの「Dopplr」、LinuxベースのGPSナビゲーションシステム「Dash」、SNSの「Brightkite」、コンテンツ管理の「Movable Type」、ソーシャルネットワーク「Loki」、コミュニケーション・共有サービスの「Pownce」など、数多くのユニークなサービスやアプリケーションがFire Eagleに対応した。このように"位置情報プラットフォーム"というFire Eagleのアイディアはすでに高い評価を得ているが、それが一般公開によって、実サービスとして通用するかが試されることになる。開花のきっかけとなるような、広く一般的な知名度のあるサービスの対応を得られるかがカギになりそうだ。