Googleは8月7日(米国時間)、傘下に収めたDoubleClickの広告配信サービスを統合するプロセスの一環として、DoubleClick DART cookieをGoogleコンテンツネットワークに導入することを明らかにした。今後数ヶ月のうちに同ネットワークにおいて以下のような機能を実現する。

  • Frequency Capping : 特定のユーザーに同じ広告を配信する回数を広告主が指定できる。同じ広告が何度も1人のユーザーに配信されて広告効果が下がるという事態を避けられる。

  • Frequency Reporting : 広告キャンペーンを見たユーザー数やその回数など頻度に関する詳細レポート

  • ビュースルーコンバージョン : ユーザーが広告を閲覧してから実際に広告主のサイトを訪れたコンバージョンに関するデータ。広告効果の高い場所を特定する手助けになり、ユーザーにより関連性の高い広告を配置できるようになる。

  • 広告サービス向上 : 不正なクリックや広告クエリを見分けるスパムフィルタ。パフォーマンスの改善など。

DoubleClick DART cookieの統合によって、広告配信サービスを提供する上で欠かせない広告の効果測定がGoogleコンテンツネットワーク上で充実する。これは同ネットワークを通じたGoogleのディスプレイ広告強化が本格的に動き出すことを意味する。

一方で、DART cookieに連動したWebビーコンを通じて、ユーザーのWebサイト訪問や広告閲覧などの情報が収集される可能性があるため、プライバシー侵害を懸念する声も高まりそうだ。そこでGoogleはプライバシーポリシーページをアップデートし、同社がDART cookieからどのような情報を得て、どのように利用しているかを説明している。また1回のクリックだけでDoubleClickの広告配信とGoogleコンテンツネットワークの両方からcookieをオプトアウトできる仕組みを用意している。なお、すでにDoubleClickのcookieをオプトアウトしている場合は、自動的にGoogleコンテンツネットワークにもオプトアウトが適用されるという。