米TimeWarnerは8月6日(現地時間)、第2四半期(4~6月期)決算発表の中で、2009年中にAOLのネット接続事業と広告/コンテンツ事業を分割することを明らかにした。他社への売却または提携を進めるための整理と見られている。AOLに関しては、7月に米Wall Street Journal紙などがMicrosoftとの交渉を報じ、先日米ISP大手のEarthLinkがネット接続事業への興味を明らかにしたばかりだった。

Time Warnerの第2四半期の業績は、売上高が前年同期比5%増の116億ドルと伸びたものの、純利益が同26%減の7億9200万ドルだった。好調だったのはフィルム・エンターテインメント部門で、売上高26億ドル(前年同期比14%増)を記録。 I Am Legend、The Bucket List, 10,000 B.C.、Fool’s GoldなどのDVD販売、海外における映画作品のTV放映権販売、LEGO Indiana Jonesなどのゲーム販売が貢献した。また、ネットワーク部門(Turner Broadcasting、HBO)も売上高28億ドル(同9%増)と好調を維持している。

不振だったのはAOLと出版事業。AOLは売上高11億ドルで前年同期比16%減。中でもサブスクリプションからの売上が29%減と大きく落ち込んだ。ネット接続サービスの利用者は810万人で、前年同期から280万人、前期から604,000人の減少。一方で米国においてAOLが1億1100万人/月のユニークビジター数を維持しているほか、サードパーティのサイトでの広告販売やペイドサーチの伸びで広告売上が前年同期比2%増だった。

出版事業は広告収入の落ち込みが響き、売上高が前年同期比6%減の12億ドルにとどまった。ただしPeople.com、Time.com、CNNMoney.comなどの売上が伸びており、印刷物からオンラインへのシフトが活路になりつつある。

Time Warnerは現在メディアとコンテンツに焦点を絞り込んだ経営改革を推進中で、AOLについては広告収入主体のコンテンツ・ポータルに変えようとしている。だが決算発表の中でJeff Bewkes社長兼CEOが「高品質なブランド・コンテンツを世界中の複数のプラットフォームに届けるという目標に、より焦点を当てながらTime Warnerの改革を進める」とコメントしており、同社がAOLを分割した上でどちらも手放す可能性も指摘されている。