独Siemensが富士通とのジョイントベンチャーであるFujitsu Siemens Computers(FSC)からの撤退を示唆していると、米Wall Street Journal(WSJ)が8月6日(現地時間)付けの記事で報じている。FSCは1999年に設立され、Siemensと富士通が50:50の割合で出資しているオランダを拠点にした企業。PCやサーバなど、Siemensや富士通の製品を主にEMEA(欧州、中東、アフリカ)地域に販売している。
WSJによれば、現在Siemensは利益体質への改善を目的にリストラを推進しており、その一環として同社が保有するFSC株の50%の売却を富士通へと打診したという。だが富士通ではこの申し出を断っており、富士通自身もPCよりも携帯電話の世界展開に興味を持っているなど、FSCの継続に赤信号が点灯している状態にあるという。FSC自身、サーバ販売では世界5位のシェアを持つなどビジネスとしては大規模なものの、IBMやHP、Dellといったライバルらと比較すると厳しい戦いを強いられているといえる。もし富士通が最終的にSiemensの提案に乗らなかった場合、他のITベンダーがSiemens分の50%、あるいは両社の全株式を取得に動く可能性があるという。WSJでは、FSCの市場価値の試算として20 - 30億ユーロ程度と見積もっている。