日本IBMは、大規模データセンター向けソリューション「IBM iDataPlex」を発表した。「IBM iDataPlex」は、「IBM System x 」、ブレードサーバ「IBM BladeCenter 」に次ぐ、IBMにおいてx86サーバでは3つめのブランドになる。アメリカでは4月に発表されており、すでに世界展開されている。日本では8月21日より提供される予定だ(受注後標準で90日後に納品)。
iDataPlexは、専用ラック(100U)に最大で84台のサーバを搭載でき、2Uあるいは3Uの筐体に、サーバやストレージ、I/Oやネットワーク・スイッチなどを、ユーザーニーズに応じて搭載できる。2Uの筐体には、サーバ2台と3.5インチハードディスク4台、3Uの筐体には、サーバ1台と3.5インチのハードディスクを12台格納可能だ。
オーダーは注文生産で、ラックに格納した状態で出荷され、ユーザーはケーブルを接続すれば、すぐに使用できるという。IBMでは、この点を他社との大きな差別化と考えているようだ。
ラックは、標準的なエンタープライズ・ラックを90度回転させた1ラック2列シャーシで、各列の横には、スイッチやPDUなども搭載でき、サーバ密度を上げている。また、奥行き短いので、スペース効率もよく、IBMによれば、密度は138%向上、スロアスペースは50%以上縮小しているという。
また、エアーフロー効率を上げることで、電力消費量は従来のx86サーバに比べ2割程度削減できるという。また、背面にオプションの「Rear Door Heat eXchange」という、水冷式あるいは冷媒式の局所冷却サービスを導入すれば、空調による冷却はほとんど必要ないという。
IBMコーポレーション システムズ&テクノロジー・グループ モジュラー・システム・プラットフォーム ブランド・マネジメント担当 バイス・プレシデントのジム・ガーガン氏は、「我々はこの市場では一番手ではなかった。ホワイトボックスのメーカーの後をフォローするのであれば、より革新的なものが必要で、今市場にあるものを上回るものでなければならない」と、iDataPlexを市場投入する理由を述べた。
日本IBM 理事 モジュラー・システム事業部長の諸富健二氏 |
日本IBM 理事 モジュラー・システム事業部長の諸富健二氏によれば、iDataPlexは一度に数百台から数千台を導入するような大規模なデータセンターを構築するユーザーをターゲットにしているということだ。なお、販売はIBM営業担当員経由で行われる。
搭載CPUは、Intel Xeon デュアルコアまたはクアッドコア、サポートOSはWindows Server 2003、RedHat Enterprise Linux 4.6。
価格は、標準的な構成例で1ラックあたり3990万円(税込、dx340 42ノード、ネットワーク・スイッチ等設置済み)。