NECエレクトロニクス 執行役員 CFO 佐藤博氏 |
NECエレクトロニクスは7月30日、2009年3月期第1四半期(4-6月期)の決算概要を発表した。売上高は前年同期比4.2%減の1663億円、営業損益は17億円(前年同期は22億円の損失)、税引前損益は同36.2%減の3億円、純損益は前年同期と横ばいとなる13億円の損失となった。「半導体の売り上げ、および営業利益ともにほぼ想定どおり」(同社 執行役員 CFO 佐藤博氏)としており、上期営業利益予想30億円の確保を目指すものの、下期の下振れ懸念を含め、業績予想は据え置きし、期初目標である「最終損益黒字化」を維持するとした。
製品分野別では、通信機器分野が携帯電話端末向けベースバンドLSI、LCDドライバIC、メモリの売り上げが前年同期に比べ減少したことにより同20.8%減の164億円。
コンピュータおよび周辺機器分野が、液晶テレビやPC向けモニタ用LCDドライバICの需要が落ち込んだものの、Blu-Ray Disc(BD)向けを中心にDVDドライブ向けLSIが増加したことにより、同1.5%増の300億円。
民生用電子機器分野が、デジタル家電向けプラットフォーム「EMMA」の売り上げが増加したものの、デジタルカメラ向け半導体の売り上げが減少したため、同2.8%減の321億円。
自動車および産業機器分野が、カーオディオメーーカーや電装メーカー向けマイコンが増加したことにより同8.7%増の298億円。
多目的・多用途ICが、汎用マイコン、ゲートアレイ、多用途SRAMの売り上げが減少したことにより同6.8%減の210億円。
ディスクリート・光・マイクロ波分野が、市場環境の悪化によるディスクリートならびに化合物半導体の需要減の影響を受け、同5.9%減の298億円となった。また、円高による売り上げに対する影響は前年同期比で70億円程度となった。
なお、第2四半期の見通しとしては、SoCプラットフォームが一部のASICで在庫調整が入るものの、DVDドライブ用LSIなどが伸びることから、横ばいからプラス1桁前半程度の伸びを見込むほか、MCUプラットフォームは自動車向けマイコンが軟調になるものの、フラッシュマイコンなどで増収を確保することで、横ばいからプラス1桁前半程度の伸びを見込む。また、個別半導体プラットフォームに関しては、汎用品の調整が継続すること、ならびにLCDドライバの需要減によりマイナス1桁前半から横ばい程度を見込んでいる。
下期の見通しとしては佐藤氏は、「携帯電話用カメラLSIやBD機器用LSIなどの注力分野で新規受注が増加するが、汎用製品が全般的に軟調に推移することでその効果も打ち消される可能性がある」とし、「業績改善に向かい一丸となって取り組んでいく」とした。