アクセンチュアは、インド市場の現状とインドに参入する日本企業の課題、それに対する同社のサービスを説明するプレス懇談会を都内で開催した。
アクセンチュア インド 代表取締役会長兼社長 ハーシュ・マングリック氏 |
インドの現状について、アクセンチュア インド 代表取締役会長兼社長 ハーシュ・マングリック氏は、「インドは現在、経済的な躍進を遂げている。現在の成長を継続すれば、個人消費は現在の3720億ドルから、2025年には1.5兆ドルまで成長すると予測されている」と述べ、そしてこの個人消費を支えているのが11億にのぼる人口であり、その多くがGDPの3分の2を担っている国内消費で、この点が中国と異なると語った。
また、同氏は経済成長の要因として、1990年代から行われている経済改革を挙げ、そして2020-2025には、アメリカ、中国と並んで世界の経済大国のトップ3になるだろうと述べた。
インドの特徴について同氏は「インドは若い国である。人口の半分が23歳以下で、3分の1は15歳未満である。そして、10年経つとこの層の人々が消費側にまわり、労働人口になる。これがインドの強みである」と述べた。
そしてインドの注目産業として、爆発的な需要増加により拡大を続けており今後の成長も見込まれるIT関連サービス、2012年までに5000億ドルにのぼるインフラ整備が行われる予定の建設業、自動車部品関連の製造業や製薬業を挙げた。
日本におけるインド市場魅力について同氏は、個人消費の成長、今後拡大が予想されるインフラ整備、今後3年間で1000億ドルの投資が予定される自動車産業の躍進、毎年30万人もの新卒者がいる豊富な研究開発エンジニアを挙げた。
アクセンチュア インド マネジメント・コンサルティング&インテグレーテッド・マーケットマネージング・ディレクター サンジェイ・ジェイン氏 |
続いて、アクセンチュア インド マネジメント・コンサルティング&インテグレーテッド・マーケットマネージング・ディレクター サンジェイ・ジェイン氏は、アクセンチュア インドの特徴について、インドに進出する日本企業は、どういった製品を扱うのか、どういう顧客を狙っていくのか、提携先やパートナーはどうするのか、サプライヤーマネージメントをどうするのか、人材確保はどうするのかといった課題を抱えているが、同社はアクセンチュア社内でも世界有数の規模を誇る37000人の従業と13拠点があり、参入戦略、運営、運営サポートすべてで、エンドツーエンドでフルサービスを提供できると語った。
また、日本企業がインドに参入するあたり理解しておくべき、インド特有の課題について同氏は、市場の細分化、全土で27州ある地域、さまざまな宗教や言語による「複雑な市場力学」、デリバリネットワークにどのようにアクセスすべきか、パートナー選びはどうするかといった「運営上の障壁」、言語能力等の「文化的な障壁」を挙げた。
そして、インド市場へ参入する日本企業へのアドバイスとして、セグメントを明確化すること、価格設定、市場へのアプローチを含めたローカル化を行うこと、ハイブリッド型経営を行うことの3つを挙げた。
ハイブリッド型経営とは、現地採用の管理職だけでなく日本からも経営陣を送り、現地採用の従業員には、経営幹部クラスにキャリア開拓できるようにその企業風土に合ったトレーニングをしていくことであると述べた。
そして同社の強みとして、インド市場に関する深い知識がるアクセンチュア インドと、顧客企業の優先順位や課題を把握しているアクセンチュア日本が密に連携をとり、最初から最後までフルサービスを提供できる点を挙げた。