日立システムアンドサービスは29日、同社が提供する「登下校映像配信安全管理システム」を学習院初等科(小学校)に導入し、9月8日から運用を開始すると発表した。同システムは既に構築を終えテスト運用中だったが、正式運用が決まったため発表したもの。
小学校に設置されたカードリーダ |
新システムは、児童が登下校の際にICカードをカードリーダにかざすことにより、保護者の携帯電話に児童の登下校時の画像をメール配信し、児童の安全確認を実現する。メールで登下校の時刻などの文字情報だけを送るシステムとは異なり、保護者の携帯電話に配信するメールで、児童の登下校の様子を静止画と数秒間の動画で確認できるため、他人による成りすましを防止できる。保護者は登校時の安全確認や帰宅時間の推測などが可能となり、教職員は児童の登下校の状況を逐一参照することで、容易に出欠確認できる。児童が持つICカードには氏名や画像などの個人情報は記録していないため、紛失時に悪用されるおそれが無いという。
学習院初等科は児童の安全対策として緊急時に保護者への一斉連絡が可能なシステムなどを導入していたが、安全意識の高まりへの対応と保護者により安心できるサービスを提供するため、新システムの導入を決定した。
同校は新システムを「さくらメール」と名付け、今後は校外学習の様子や教職員からのメッセージなど、携帯電話で録画した動画メッセージを保護者の携帯電話に送信するサービスも検討している。
同システムは日立コンサルティングが動画配信に関するコンサルティングと映像配信ソフトの提供を行い、日立システムがシステム構築を担当した。今後両社は映像配信ソフトのさらなる開発などソリューション全体の強化を図り、文教市場を中心に販売を拡大していく予定だ。