企業ソリューション企画本部 主任 岩田真由美さん |
NECは7月1日、「在宅勤務」の全社拡大を発表した。NECの在宅勤務制度は、利用者が自宅に引きこもって業務を進めることが趣旨なのではなく、同社がこれまでに推進してきたテレワークの一貫という。企業ソリューション企画本部の岩田真由美主任は、NECにおけるテレワークの定義を「どこにいてもオフィスと同じように業務を遂行し、メンバーと協働できる働き方」であると紹介した。
それぞれの課題をITで解決
その実現のために、セキュリティに十分な配慮を行いながら、オフィスのフリーアドレス化や無線LANなどITインフラを充実させ、出張時などに他拠点に立ち寄った場合でも所属部署で行うのと変わりなく業務遂行できる環境を整えた。外出先からは携帯電話を活用したり、リモートアクセスでオフィス内のサーバにアクセスする。この環境をさらに自宅にまで広げたのが在宅勤務制度だ。
経営システム本部 マネージャー 中田俊彦氏 |
NECは、このテレワーク環境実現の第一歩として、2006年7月から2008年6月までの約2年に渡り、企業ソリューションビジネスユニットの営業およびSE社員約2000名を対象に、在宅勤務を取り入れた「テレワークトライアル」を実施した。経営システム本部の中田俊彦マネージャーは、在宅勤務を実現するにあたり、「情報セキュリティの確保」と「コミュニケーション」、「勤務管理」という3つの主要課題があったと語る。その問題に対し、次のように対処した。
情報セキュリティの確保
情報の持出しや自宅プリンタでの印刷が行えないシンクライアントシステムを利用し、リモートアクセスでオフィス内の情報へアクセスすることで、情報セキュリティに配慮しつつもオフィスと同様の作業環境を実現する。
コミュニケーション
内線電話やWeb会議、Webカメラなど、社内コミュニケーションツールを在宅勤務でもそのまま活用し、テレワーク協働環境を実現する。
勤務管理
所定就業時間帯での勤務を原則とし、業務の始終業時にはWebカメラを使った対面での報告を上司・部下間で行う。在席状況やスケジュールなどをオフィス内にいる社員と共有し、互いの状況を確認する。
これらの中で特筆すべきは、どこにいてもオフィスと同じように協働、管理するための「テレワーク協働環境」だろう。NECではそれを社内コミュニケーションツールで実現した。