日本オラクルは22日、2009年度の研修と資格制度に関する取り組みを発表した。
2008年度は、「トータルバリューを体感させる研修体系の実現」「ライセンスビジネスとのさらなる連携強化」「技術者育成における顧客・パートナー各社の長期的なパートナーに」「認定資格を武器に、オラクルにコミットしたエンジニアの育成」の4つを重点施策に掲げて活動を行い、前年度比20.7%増の25億5100万円の売り上げを達成。この売り上げの伸びを支えているのは、研修コースと受講者数の増加だ。
執行役員 オラクルユニバーシティ本部長 保々雅世氏 |
研修コースの数は、2007年度の175に対して2008年度は273に、受講者数は2007年度の16,669人から2008年度は25,600へと、それぞれ1.5倍以上になっている。この要因について、執行役員 オラクルユニバーシティ本部長 保々雅世氏は「1日で速習をしたり、2日でワークショップをするなど短いコースをたくさん作り、カバーしているお客様やパートナーが広い層になっている。いままでのように導入が決まってから研修を受けるという人以外に、提案や企画ための受講者が増えている」と語った。
そして今年度の売り上げ目標として、前年度比7.8%増の27億5,000万円という数字を掲げ、重点施策については、2008年の4つ施策を継続していくという。ただ、この4つの中でさらなるスピードアップとフレキシビリティの向上を図るという。これについて保々氏は「これまで私たちの研修というのは、『確実にきっちりと』を頭に置いてやってきており、なかなかフレキシビリティを出しづらかった。今年は、スピードとフレキシビリティを掲げてやっていきたい」と語った。そして、そのために「Edge Applicationsへの人材育成促進」「DBAの価値と変革」「SOAを中核にフルスタックでの研修提供」という3つのキーシナリオを掲げている。
「Edge Applicationsへの人材育成促進」では、Oracleが買収によって製品群に加えたSiebel(CRM)、G-log(輸送管理)、Agile(PLM)、Hyperion(BI)、Demantra(需要管理、販売/オペレーション計画、販売促進管理)などの人材育成に取り組む。具体的には、講師が複数の専門分野をカバーするダブルスキルを促進するほか、Webを利用し海外の研修に参加するLive Virtual Class、グローバル講師を招いた日本での早期研修、パートナーとの連携強化などを実施する。
「DBAの価値と変革」では、DBAを従来の運用・保守だけでなく、システムの企画・提案や設計などの上流工程も行うDBA2.0への移行を進める。そして、それには運用効率化のための最新テクノロジー・スキルとデータモデリング・システム設計のスキルが必要だという。運用効率化のための最新テクノロジー・スキルでは、Data Recover AdvisorなどOracle11gの新機能をマスターする研修コースを9月からスタートさせるほか、開発・テスト工程での負荷テストのための「e-TEST Suite研修コース」を用意する。データモデリング・システム設計のスキルでは、データベース設計、Oracle DataBase 管理ワークショップなど7つの研修を用意するほか、新たな認定資格を準備中だという。
オラクルユニバーシティビジネス推進部 西部正義氏 |
「SOAを中核にフルスタックでの研修提供」では、SOAアーキテクト、Web Server管理、Webアプリケーション開発の3つの分野に新たな研修コースと認定資格を今後提供していく。オラクルユニバーシティビジネス推進部 西部正義氏は、「SOAに対する市場ニースは高まっているものの、データベース技術者に比べ、SOAの技術者は圧倒的に少ない。そのため、その技術をいち早く習得することによって、差別化、市場価値を高めることができる」と語った。