米Facebookが米国時間の7月20日から新サイトデザインの提供を開始した。新デザインへの切り替えを打診するメッセージが表示されるのは一部のメンバーに限られるが、21日よりnew.facebook.comを通じて全ユーザーが新デザインを試せるようになった。Facebook Blogによると、数週間以内に標準デザインの変更を行う予定で、新機能に慣れるためにも早めに新デザインを試すことを勧めている。
同社は今年始めから新デザインの開発に取り組み、過去6カ月の間にレイアウトおよび機能追加について100,000人以上のユーザーから意見を集めた。最終版には、その多くが反映されているという。CEOのMark Zuckerberg氏によると、新デザインではよりシンプルなユーザー体験を実現すると共に、プロフィールに従った情報管理の改善により、ユーザーが重要な情報や最新の情報へと円滑に導かれる。「新デザインによって、ユーザーは情報を格段に共有しやすくなる」という。
新デザインの狙いは簡素化とユーザー体験の向上だ。そのためにフィード技術と友達とのコミュニケーション機能であるWallの統合に焦点が当てられた。まず現在左側に配置されているアプリケーションを上部メニュー内に移し、画面の窮屈感を解消。プロフィール画面にはタブによる切り替えが導入された。標準で最も左に配置されているWallタブには、ユーザーによる最新の書き込みやアクション、または友達からのポストやコメントが表示される。プロフィール内の書き込みは、サイズや形式の変更、削除など、ユーザーが自在にコントロールできる。Wallタブ内の上部には、ステータスの変更、ノート作成、写真やビデオの追加、リンク共有など、Wallにコンテンツを追加する作業を1カ所から行えるPublisher Boxが用意されている。
Wallタブの右隣のInfoタブには、ユーザーの基本情報やコンタクト情報がまとめられる。さらにBoxesタブを通じて利用しているアプリケーションのタブを追加できる。新しいアプリケーションを利用する際には、現在のようにいきなり"追加 (add)"するのではなく、プロフィールに結びつける前にプレビューで内容を確認することが可能だ。
サードパーティ製のアプリケーションに後押しされて成長してきたFacebookだが、学生時代から少しずつ機能やアプリケーションの追加を経てきたユーザーは勝手が分かっているものの、新しいユーザーには煩雑で入り込み難いと指摘されることが多い。新デザインは、プロフィールというSNSの土台からユーザー体験が再デザインされており、新メンバーでも理解しやすそうだ。またアプリケーションに注目が集まる中で、ユーザー同士のコミュニケーションの活性化というSNSの基本が見直された印象を受ける。学生向けのSNSからAPI公開を経て、米最大規模のSNSへと拡大したFacebookの成長と言えそうだ。Facebookは米国時間の7月23日に米カリフォルニア州サンフランシスコで開発者カンファレンス「f8」を開催する。その場で新サイトデザインのユーザー体験やFacebook Connectについての詳細が説明される見通しだ。