総務省は18日、携帯電話上で行われるビジネスである「モバイルビジネス」の2007年の市場規模が、1兆1,464億円だったと発表した。同市場が1兆円を超えるのは今回が初めて。順調な市場拡大について同省は「特にネットショッピングなどのモバイルコマースの伸びが顕著だったのが要因」と分析している。

2007年に初めて1兆円を突破したモバイルビジネス市場

モバイルビジネス市場の調査は、携帯電話インターネットのいわゆる「公式サイト」上で展開されるビジネスを対象として、総務省の委託を受けたモバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)が実施。着メロや電子書籍などの「モバイルコンテンツ市場」については、総額を携帯電話事業者の発表資料から算出。内訳は、同発表資料、主要事業者のデータとアンケート調査によって得られた伸び率を用いて推計した。

ネットショッピングなどの「モバイルコマース市場」については、モバイルビジネスに従事する主な事業者・団体等にヒアリングを実施し、その結果を元に推計。2007年12月時点における公式サイト数は1万6,042サイト、事業者数は4,298社だった。

同調査によると、2007年のモバイルコンテンツ市場は、前年比16%増の4,233億円。内訳は、「着信メロディ系」が同34%減の559億円、「着うた系」が同42%増の1,074億円となり、着うた系が大幅に伸びた。

さらに、「モバイルゲーム」が同13%増の848億円、「電子書籍」が同220%増の221億円となり、電子書籍が驚異的な伸びを示した。その他は、「待ち受け系」が227億円(前年比8%減)、「占い」が182億円(同15%増)など。

一方、2007年のモバイルコマース市場は、前年比29%増の7,231億円。内訳は、通販などの「物販系」が前年比27%増の3,292億円、チケットや宿泊予約などの「サービス系」が同41%増の2,708億円。株取引やネットオークションなどの「トランザクション系」も同11%増の1,231億円となり、いずれも大きな伸びを示した。