米Amazonがストリーミング方式のビデオオンデマンド・サービスの一般向けベータプログラムを開始した。
米国時間の7月16日に映画・TV番組配信サービス「Amazon Unbox」で新オンデマンド・サービスのベータテスター募集開始を告知。すぐに定員に達した。New York Times紙によると、新サービスの名称は「Amazon Video On Demand」になる。現在Amazon.comは、Unboxで映画やTV番組のダウンロード販売/レンタルを提供している。利用するにはWindows PC用のメディアソフトUnbox Video Player、またはTiVo DVRが必要だ。これに対してVideo On Demandは専用のメディアソフトをインストールする必要はなく、Macからもアクセスできる。またファイルがダウンロードされるのを待たずに、すぐに40,000本を超える映画・ TV番組を視聴できる。Amazon.comはSony Electronicsと提携し、Bravia Internet Video linkを通じてTVから同サービスを利用できるようにするという。
米国ではオンラインDVDレンタルのNetflixが契約メンバーに対して10,000本以上の映画のストリーミング配信を提供している。サービス開始時は視聴がPCに限られていたためユーザーの反応も鈍かったが、Rokuが同サービスをTVで利用可能にするThe Netflix Playerを発売してから評価が一変した。ロサンゼルスで開催されていたE3 Media & Business Summitでは、MicrosoftがNetflixとの提携を発表。Xbox 360でNetflixのストリーミングサービスをサポートする。
Amazon Video On Demandは、人気が高まるNetflixのストリーミングサービスへの対抗策と見られる。ただしNetflixは従来同様に月額17ドルでオンラインDVDレンタルを提供しながら、ストリーミングサービスを追加した。月額約1800円でDVDを自由に借りられてストリーミングを見放題という、映画・TV好きの欲求を満たすサービス形態であるのも人気の理由だ。一方Amazon Video On Demandはサブスクリプション形式ではなく、サンプルを見ながら作品をブラウズし、作品ごとに購入またはレンタルする形になりそうだ。