松竹 映像本部映画興行部 マネージャー 樫村暢彦氏 |
シャープは、世界最大の業務用液晶ディスプレイとなる108v型液晶ディスプレイを、7月19日に東京・新宿にオープンする新宿ピカデリーに納入。このほど、報道関係者などに公開した。
シャープの亀山第2工場で採用している第8世代のマザーガラス(2,160×2,460mm)から1枚取りしたもので、外形寸法は約2.5m×1.5m×20cm、重量は約195kg、約2畳分の表示エリアを持つ。解像度は1,920×1,080画素となっている。
新宿ピカデリーを運営する松竹 映像本部映画興行部 マネージャー 樫村暢彦氏は、「新宿ピカデリーのデザインコンセプトは"真っ白なシアター"。映画の魅力を最大限引き立たせるキャンバスをイメージした。白を基調とした明るい空間のなかで、高コントラストで表示可能な液晶ディスプレイを導入した。大画面化により、離れた位置からも情報をしっかり確認でき、映画館のコンセプトに合致したものと考えた」とする。また、「従来の紙、ポスターではなく、ディスプレイ、動画により、映像ミュージアムとしての効果を最大限に演出できる」としている。
新宿ピカデリーは2006年に閉館し、リニューアルをすすめてきた。都心最大級のシネマコンプレックスとし10スクリーン、2,237席、延床面積は9,811平方メートルを誇る。3階のメインロビーフロアの108v型を導入したのをはじめ、12階までのフロアの各所に、シャープ製の液晶ディスプレイを合計51台導入。3階のチケットカウンターには65v型を4台、ドリンク+フードコーナーにも、52v型を2台設置した。
「シネコンでは多くの映画が上映されているため、チケット情報や空席情報が見にくいという課題があったが、65v型を国内で初めて導入したことで、遠くからでも情報が見られるようになった。また、ドリンク+フードコーナーにおいても、これまでのメニューボードでは、単品メニューの紹介しかできなかったが、季節メニューやお勧めメニューなど、力を入れたいメニューを告知できるようになる」(樫村氏)としている。
シャープ 情報通信事業本部 副本部長 名井哲夫氏 |
一方、シャープ 情報通信事業本部 副本部長 名井哲夫氏は、「当社では、家庭用の液晶テレビのほかに、パブリックスペース向けに、空港、駅などへの公共表示用として、店内、天蓋の電子広告用としての提供のほか、テレビ会議用やプレゼンテーション用など、ビジネスユースでの導入も促進している。今回の108v型は、こうした用途を上回る大型店舗広告用ともいえ、液晶が持つ超高輝度、耐環境性などの技術進化によって実現したもの」とした。
また、「明るいところでもコントラストが高く、液晶の良さが発揮できる。表示性能の向上と、大画面化の実現で、松竹のニーズにお応えできた」と語った。今後は、グローバル展開を進めていく考えを示している。
一方、新宿ピカデリーでは、最大スクリーンとなるシアター1において、世界で初めてプライベートルーム型のバルコニー席「プラチナルーム」を2室2名用として設け、イタリアのカッシーナ製のソファを使い、プライバシーを守った形での利用を可能にした。なお、同ルームの使用料金は3万円となっている。加えて、バルコニー部にプラチナシートを設置、こちらは1人5,000円で利用できる。また、コンサートなどで使用されるJBLの大型スピーカーを、サラウンドスピーカーとして世界で初めて設置。大迫力の6ウェイスピーカーをメインスピーカーとしている。そのほか、すべての女性用トイレにバウダールームを設けるなどの配慮もされている。