「もし"検索"がインターネットへの入り口だとしたら、多くの人がこう考えるだろう――GoogleとYahoo!の提携は、入り口ばかりでなく、そこを通過する情報を独占的に管理する権限をGoogleに与えることになる」
米Microsoftで法務系問題の責任者であるBrad Smith氏は15日(現地時間)、独占禁止法問題を扱う米国上院司法委員会を前に、先日Yahoo!が発表したGoogleとの提携について、このようなメッセージでその妥当性に疑問を呈している。両社の提携がオンライン広告とインターネットの革新において、いかに競争を阻害することになるかについて説明を行った。
Smith氏は「過去の歴史のなかで、ある1つのメディア企業によって90%にも上る広告価格の決定権が独占されることはなかった。これはTV、ラジオ、出版のいずれも起こったことはなく、インターネットにおいても起こるべきことではない。Yahoo!はこの提携で8億ドルの売上増を期待できると述べているが、この費用はアメリカ企業のポケットから出されることになる。規模の大小を問わず、これら企業は今日Yahoo!で購入した広告以上の料金を支払わなければならなくなるだろう」と強い口調で訴える。
同氏の主張はシンプルだ。90%近い市場シェアを特定企業に握らせることは、多くのユーザーや競合企業にとってデメリットになるという点にある。「90%以上の広告市場を握ることで、あなた方ユーザーのオンラインでの行動の全体像がつかめるようになる。そうなった場合、政府はもはやプライバシーのルールに関する法律を制定する必要はなくなるだろう。なぜなら、我々はすでに国全体をカバーするプライバシールール、すなわちGoogleの決めたルールを持っているのだから」(Smith氏)