シャープは、デジタルカラー複合機の新製品として、MX-3100FG/FNおよびMX-2600FG/FNの2機種4モデルを22日から発売する。新開発の「MycrosトナーHG(High Grade)」を採用し、従来のミクロストナーに比べて、粒状感の少ない緻密な高画質出力が可能になり、人の肌のような中間色や、微細な部分を自然に再現できるのが特徴。さらに、ES(Excellent Stabiliy)キャリア機能の搭載、プリント解像度1200×1200dpiの実現などにより、小さな文字な繊細な写真のつぶれを抑えることにも成功した。

MX-3100FN

MX-2600FN

また、新開発のマジカルビューIIIの搭載により、コピー時だけでなくスキャン時にも、原稿の下地の色だけを消去することで、写真をより鮮明にコピーしたり、文字を読みやすく出力することができる。

両面原稿自動送り装置を装着した際には、モノクロ/カラーともに毎分50枚のスキャニングを可能とし、大量の紙文書を効率よく電子データ化できるほか、1000Base-Tの標準搭載により、PCなどからのデータの高速転送が可能になっている。

本体部には、800×480ドットの8.5インチWVGAカラー液晶タッチパネルを搭載し、マシンの状況をイラストでわかりやすく表示し、操作時の視認性を高めるとともに、本体に収納可能なキーボードを業界で初めて搭載。パスワードの文字入力、ファイル名の書き換え、送信先のアドレスの入力などを容易に行えるようにすることで、スキャンデータの直接送信操作を楽にしている。

カラー液晶タッチパネルの表示例

本体に収納可能なキーボードを搭載している

そのほか、オープンシステムズアーキテクチャのSharp OSAの最新版として、Sharp OSA 3.0を搭載。タッチパネル内に表示される操作ボタンなどのオブジェクトを自由にレイアウトできるようにしたほか、動画の利用も可能になった。

「Sharp OSAは、Linuxのような広がりを持たせたいという発想がある。シャープが知らない機能が世界中で芽生えて、新たなビジネスが生まれるという仕組みを考えた。現在、国内10数社のITベンダがSharp OSA対応のアプリケーションを開発している。ディーラーにとっても、新たなソリューションを提供する事業に乗り出せる。一方、複合機はオフィスにおいても存在感が強いことから、機械デザインではなく、オフィス家具デザインを意識したものを採用することで、オフィスに溶け込んだものとした」(シャープ ドキュメントシステム事業本部長 中山藤一執行役員)という。

また、シャープ ドキュメントシステム事業本部長商品企画部 本田良孝部長は、「従来機から搭載している節電ボタン、FAX待機時商品電力は1W以下を維持したまま、新たにウォームアップタイムの短縮による節電機能を追加。トナー消費量を15%削減や、環境プログラムへの対応を図るなど、環境性能を強化している」と語った。

シャープ 執行役員 ドキュメントシステム事業本部長 中山藤一氏

シャープ ドキュメントシステム事業本部長商品企画部 部長 本田良孝氏

モノクロ、カラーともに毎分31枚のMX-3100FNの価格は148万5,750円、同FGは138万6,000円。モノクロ/カラーともに毎分26枚のMX-2600FNは134万9,250円、同FGは124万9,500円。なお、FNモデルにのみ、8.5インチのカラー液晶パネルを搭載している。

FNモデルでは、8.5インチWVGAカラー液晶タッチパネルを搭載している

日本国内におけるカラー化比率は、出荷台数ベースでは、2007年度の54%から2010年度には67%にまで拡大すると見られている。また、世界市場においても、2007年度の16%から2010年度には23%に達すると予測されている。

シャープ 中山執行役員は、「カラー化は台数、金額とも、引き続き2桁の成長率が見込まれている。シャープは、2005年にはカラールネッサンスをキーワードに製品ラインアップを一新し、ドキュメント情報のポータル機器と位置づけてきた。今回の新製品投入によって、この市場における展開をさらに強化する」という。

今回の新製品で月産3,700台の生産を予定。「当社の複合機事業のうち、新製品だけで15%の売上構成比を見込んでいる」とした。

シャープのドキュメントシステム事業の取り組み

シャープの複合機のラインアップ