800万ダウンロードの熱狂を伝えた「Firefox 3 の灯」
6月17日の世界同時リリースから3週間が経過した「Firefox 3」。ユーザーからの圧倒的な支持のもと、わずか1日で800万ダウンロードを記録したことは記憶に新しい。Firefox 3が大きな注目を集める中、『Firefox 3 の灯(ともしび)』というプロジェクトも人気を集めた。日本全国各地のダウンロード状況をリアルタイムに捕捉し、視覚化するというもの。どんな思いから生まれたプロジェクトなのだろうか。「Firefox 3 の灯」の企画立案・開発者であるあかつかだいすけ氏にご説明いただいた。(編集部)
『Firefox 3 の灯』は、Firefox 3のダウンロード状況をほぼリアルタイムに見ることができるソフトウェアです。ダウンロードした際のアクセスポイントからおおまかな地域を特定し、地図上に可視化します。従来、文字情報でしかなかったアクセス情報を視覚化することにより、文字情報だけでは伝えるのが難しいであろう臨場感や雰囲気を感じること「感じるダウンロード」をテーマに制作しました。
3種類のモードでダウンロード状況を見せる
黄色く煌めく光は、すこし前に実際にその場所でFirefox 3のダウンロードがあったことをあらわします。その後、この光はその地域の白い灯として存在し、しばらくと灯り続けます。また、灯の大きさはダウンロードの規模に比例しています。
日本地図の上にマウスを置くと、日本におけるFirefox 3のダウンロード総数(概数)が表示されます。また、地図上でのクリックにより、全国モード/都道府県モードが切り替わります。都道府県モードでは、各地域にマウスを置くことで、その地域のダウンロード数を見ることが可能です。
都道府県の色分けには3つのモードがあり、画面右下の灯のロゴマークをクリックすることで切り替えられます。ひとつ目は、Firefox 3がリリースされてから現時点までのダウンロード総数を見る「総計モード」です。ダウンロードの多い都道府県がより明るく表示されます。
ふたつ目は、ダウンロード総数を各都道府県のブロードバンド回線加入者数(出典:総務省「ブロードバンドサービス等の契約数(平成18年6月末)」)に応じて傾斜配分した「熱気モード」です。
三つ目は、灯の光だけを強調して見せる「灯モード」です。 Firefox 3をダウンロードした人々をゆるやかに感じ、またその光だけで日本の姿が浮かび上がることを期待して、このモードを取り付けました。
「Firefox 3 の灯」のきっかけは24時間イベント「Mozilla24」
2007年9月にMozilla24 というイベントが開催されました。このイベントは24時間を通して、世界中の人々が絶え間なくMozillaを支えているその永続性と、実空間を超えたつながりを共有し、未来のインターネットやブラウザを語り合うという壮大なイベントでした。その中のオンライン企画として「Firefox の灯」というソフトウェアを提案させていただきました。Mozillaに興味のある世界中の人々の存在を感じてみたいという動機から、Mozillaサイトへのアクセスを世界地図上でプロットしたものでした。
「Firefox 3 の灯」は、「Firefox の灯」に続くソフトウェアで、Firefox 3のダウンロードに照準を当て、さらに日本に特化しています。人々を緩やかに感じたいという思いはそのままに、加えて「感じるダウンロード」というテーマのもと開発を行いました。これまでも数多く Firefoxがダウンロードされてきましたが、そのダウンロード状況は「1日に何件ダウンロードされた」など言葉であらわすことが主であり、それ以上のことを知ることができませんでした。本ソフトウェアでは、従来、文字情報でしかなかったアクセス情報を視覚化し、よりリアルなダウンロード状況を提示します。どれぐらいの頻度でダウンロードされているのか、朝・昼・晩のような時の移り変わりとアクセス数の相関、盛り上がっている地域、自分の住んでいる地域の様子など、言葉だけでは伝えることが難しかったであろう臨場感や雰囲気を知りたいと思い開発しました。