フィンランドNokiaは7月10日(現地時間)、同社が中心となって設立した「Symbian OS」ベースのモバイルプラットフォーム支援団体「Symbian Foundation」に、新たに9社が参加を表明したことを発表した。これにより、同Foundationの参加企業は31社となる。モバイルプラットフォームの覇権争いに向け、勢いをつけた。

Symbian Foudationは、Nokiaが6月24日に設立を発表した非営利団体。同Foundationは、携帯電話向けのSymbian OSに同OS向けのUIを統合したモバイルプラットフォームをオープンソースとして提供することを目的とし、これを共同で開発、支援する組織となる。Nokiaはこれにあたり、英Symbianを買収する計画だ。

今回、同Foundationに加入を表明したのは、オペレータとして3(香港Hutchison)、メキシコAmerica Movil、伊TIMの3社、サービス/ソフトウェアプロバイダのアプリックス、フィンランドEB(Elektrobit)、英EMCC Software、インドSasken Communication Technologies、スウェーデンTietoEnatorの5社、それに半導体メーカーの米Marvell Technology Groupの合計9社。

Nokiaは6月24日にFoundationの設立を発表したとき、設立メンバーとして、SymbianとNokiaのほか、米AT&T、米Motorola、NTTドコモ、韓国Samsung Electronics、英Sony Ericsson、英Vodafoneら11社を発表、これとは別に、11社を参加企業として発表していた。今回9社が加わることで、加盟企業は合計32社となる。

Nokiaは今後の予定についても情報をアップデートしている。それによると、Symbianの買収は2008年第4四半期に完了の見込みで、Symbian Foundationの稼動は2009年前半の予定という。貢献するソフトウェアはSymbian OSのほか、Nokiaによる「S60」、スウェーデンUIQ Technologyによる「UIQ」を、NTTドコモと富士通による「MOAP」の3種類のUIとなる。Foundation加盟企業は今後、これらの技術を統合し、モバイルプラットフォームを構築する。統合プラットフォームの最初のリリースは、2009年を見込む。

完成したモバイルプラットフォームは、Foundationが運営を開始すると同時に加盟企業にロイヤリティフリーで提供する。オープンソースとしての公開は、Foundation立ち上げから2年後ごろを計画しており、現時点では2010年の6月としている。