NECは10日、IT機器の空調設備や電源設備などファシリティの効率化により省電力を実現する「ITファシリティソリューションサービス」を体系化し、販売を開始したことを発表した。
これにより、従来の無停電電源装置や発電機を提供する「電源バックアップソリューション」、免震装置を提供する「地震対策ソリューション」、空調機や搬送ファンなど提供する「空調ソリューション」、「セキュリティソリューション」、および「環境改善ソリューション」の5つに新たに「局所冷却ソリューション」「センサーソリューション」の2つを合わせた計7種のソリューションを、顧客のライフサイクルに合わせて組み合わせ、提供することができるようになる。
"局所冷却ソリューション"は、米American Power Conversion (APC)の局所冷却装置「InfraStruXure InRow」とNECのサーバならびにストレージの最適な組み合わせを実現する「ヒートコンパクトクーリング」により、従来の空調方式(マシン室内に設置する空調機)と比較して年間の消費電力量を最大で約60%削減することが可能となる。
また、IT機器の排熱を囲い、囲った高温部分を集中冷却する「ホットアイルコンテインメントシステム」により通常のInRowシステムと比較しても14%の年間の消費電力消費量を削減することができる。
さらに、APCの統合管理ソリューション「InfraStruXure Central」とNECの統合運用管理ソフト「WebSAM MCOperations」および統合プラットフォーム管理ソフト「SigmaSystemCenter」との連携ソリューションを、APCと共同開発しており、2009年度中に提供を行うことで、さらなる省電力化を実現できるするという。
一方の"センサーソリューション"は、温度・湿度センサ、および電力センサをコンピュータラックに装備し、センサをネットワークで接続することにより、24時間365日マシンルームの環境を監視するサービスを提供するというもの。これにより、ホットスポット、電力供給異常を早期に検知することが可能となり、冷却効率の向上を実現することが可能となる。
このほか、NECでは、省電力ITプラットフォーム関連の事業を推進するための専任組織「REAL IT COOL推進センター」を新設。同センターでは、同社の提唱する顧客のITプラットフォームの省電力化を実現する計画と活動「REAL IT COOL PROJECT」に基づき製品化されたハードウェア、ソフトウェア、ファシリティサービスを組み合わせ、企業やデータセンタ事業者に対して省電力ITプラットフォームの導入を推進する。
また、2008年10月には本社にある「プラットフォームイノベーションセンター」内にサーバ、ストレージ、ソフトウェア、ファシリティなどの組み合わせた省電力データセンタのデモおよび検証環境を「REAL IT COOLプラザ」として設置する予定としている。