Sony Ericssonをはじめとしたグローバルモバイル端末メーカーが、特許侵害で米国の裁判所に訴えられた。

韓国電子通信研究院(以下、ETRI)は9日(現地時間)、同院が保有するモバイル関連特許技術の全世界ライセンス権限を持つSPH Americaが、米バージニア東部地方裁判所において、Sony Ericsson、京セラ、台湾HTCに対して「特許侵害禁止および損害賠償請求訴訟」を提起したと発表した。

3社が侵害したという特許は3つある。「多重チャンネルのための、直交複素拡散方法およびその装置(技術名は「OCQPSK」)」、「符号分割多重接続方式における、上り共通チャンネルの任意接続装置および方法(技術名は「AiSMA」)」、「CDMAシステムでの同期式二重チャンネルQPSK変復調装置およびその方法(技術名は「QPSK」)」がそれだ。いずれもcdma2000およびW-CDMA関連の技術であり、1999年から2003年にかけて米国で特許を取得している。

ETRIによるとこれら3つの技術は「モバイル端末の電力消耗を減らし、バッテリーの使用時間を延長するのに使用する核心技術」(ETRI)だという。2000年に国際標準規格に採択されたことがあるというが、メーカー3社はこれを許可なく無断使用していたようだ。

ETRIでは、訴訟が正常に進行すれば2009年上半期頃に結果が出ると見込んでいる。また「訴訟が成功裏に終わった場合(勝訴した場合)には、相当額のロイヤリティ収入が予想できる」と述べ、訴訟の行方を見守っている。

特許技術を通じてロイヤリティ収入の拡大を狙うは、韓国が技術開発を行う際の基本的な姿勢である。ETRI院長のチェ・ムンギ氏も「以前は技術保護のための知財権の確保だったが、今後は積極的な権利行使を通じた収益確保に転換する」と述べており、今回に限らず、特許侵害などの行為に厳しく対処していく構えであることを明らかにしている。

ETRIは国家政策などに従い技術開発を行う韓国最先端の国立研究所である。ETRIが主張するように、端末メーカー3社が実際に特許侵害を行っていたとすれば、韓国という国にとっては大変な損害になるため、どうしてもこの分を回収し、権利を主張できるようにしておきたいところだ。グローバル3社の出方や、裁判の今後の経過に注目したい。