博報堂DYメディアパートナーズは8日、同社メディア環境研究所がまとめた「メディア定点調査2008」の調査結果概要を公表した。同調査によると、PCからの1日のインターネット利用時間は前年比2.4分減の59.4分となり、2004年の調査開始以来初めて減少。逆に携帯電話からのネット利用時間は同3.6分増の17.7分となったことが分かった。
同調査は、東京都、大阪府、高知県に住む15~69歳の男女2,186人を対象に、今年2月に実施。1,877人から回答を得た。
調査によると、1日のメディア接触時間は、テレビが前年比2.4分減の161.4分(2時間41.4分)、ラジオが同4.1分減の35.2分、新聞が同0.3分増の28.5分、雑誌が同0.7分減の17.1分となった。
注目されるのは、PC経由のインターネットが同2.4分減の59.4分と、2004年の調査開始以来初めて減少。これとは逆に、携帯電話経由のインターネットは同3.6分増の17.7分となった。
全ての媒体のトータルの接触時間が、2007年の324.9分に比べ5.6分の減少となり、ほとんどの媒体の接触時間が減少する中、携帯電話からのネット利用は増加傾向にあることが分かった(新聞は微増)。
特に若い世代を見ると、携帯電話からのネット利用は10代女子が74.1分(1時間14.1分)と1時間を突破。これに対し、10代女子におけるPCからのネット利用は40.4分で、全ての性世代別で唯一、携帯電話からのネット利用がPCからを上回った。
また、同調査では、動画投稿サイトと携帯小説の利用経験率についても質問。動画投稿サイトの利用経験率は、2007年には全世代で29.2%だったのが、2008年には38.8%に増加。特に10代では、女子が81.6%(前年は52.8%)、男子が69.4%(同61.2%)、20代では女性が68.6%(同42.9%)、男性が70.0%(同62.5%)が「利用したことがある」と回答。10代、20代の大半が動画投稿サイトを利用した経験があることが明らかとなった。
また、携帯小説の利用経験率は、全体では11.3%にとどまった。だが、10代女子に限ると71.0%(10代男子は26.5%%)。20代女性でも35.3%(20代男性は18.8%)が利用経験があると答えており、10代、20代の女性から大きな支持を得ていることをうかがわせた。
博報堂DYメディアパートナーズは、今回の調査に関し、「携帯電話からのネット利用の増加は、10代女子の利用増が大きな要因。彼女たちにとって携帯電話はなくてはならない存在であるとともに、広告コミュニケーションにとっても不可欠なものになっている」と話している。