人事・労務に関する課題解決のためのWebサイト「日本の人事部」を運営するアイ・キューと、ビジネスポータルサイト「cybozu.net」を運営するcybozu.netが共同で実施したアンケート調査「職場におけるメンタルヘルス」の結果がこのほど公表された。
調査は2008年4月16日~5月15日の間、両サイトのユーザーなどを対象に実施。597件の有効回答結果がまとめられた。
調査の結果、仕事上でストレスを感じている割合は、「強く感じている」が41.4%、「少し感じている」が47.2%と回答。合わせて約9割が仕事に対して何らかのストレスを感じていると回答する結果となった。さらに、その原因として挙げられた回答では「仕事・職場の将来性に対する不安」が最多。以下「賃金が安い」「職場の人間関係が悪い」「仕事量が多い」「仕事の責任が重い」の順に続いた。
一方、勤務先のメンタルヘルス対策について、240人が「特に対策は行っていない」と回答し、最も高い割合を占めた。これに対して、実施されている対策では「産業医の設置」、「管理職向けの教育・研修」「従業員の教育・研修」「社内の相談窓口の設置」などが多く挙げられたが、その対策が活用されていると評価している割合は、「十分活用されている」(3.5%)、「少し活用されている」(16.6%)を合わせても2割を下回る結果となった。その理由については、回答者の47.3%が「企業側の周知不足で利用方法がわからないから」と回答。そのほか、「教育や研修などをとりあえず行うだけでその後は全く機能していない」「企業が世間体を気にして、とりあえず実施しているだけ」など厳しい指摘の声が多く挙げられた。
また、「勤務先でこの3年間にメンタルヘルス不全で休職あるいは退職した人がいる」と答えたの割合は回答者の70.4%に及んだ。その理由では「職場の人間関係」「上司のフォロー不足」「職場のコミュニケーション」「仕事量」「仕事の責任の重さ」の順に多く、仕事上のストレスの原因と同様に、勤務先の制度や風土、上司との関係など、自分で努力してもすぐには改善できないことが要因となっていることが示され、職場でのメンタルヘルス対策として「残業削減などの労働環境の改善」「管理職向けの教育・研修」「従業員のストレスチェック」を望む声が上位3つを占めた。