InDesignユーザーのためのイベント、「InDesignコンファレンス 2008 東京」のセッション「InDesign 最新情報!」で、開発中のInDesign次期バージョンのプレビューが行われた。スピーカーは米Adobe Systems、InDesignシニアエバンジェリストのティム・コール氏、アドビ システムズの岩本崇氏、ナット・マカリー氏。
InDesignのデータをWebコンテンツへ
ティム・コール氏は開発中の技術であると断りながらInDesign次期バージョンに搭載予定の機能をデモンストレーションした。InDesignで作成したデータをレイアウトそのままにSWFへエクスポートする様子を披露。SWFエクスポート設定画面では出力するスクリーンサイズが指定可能で、テキスト変換はFlashテキスト、ベクター形式、ラスタライズなどから選択できる。またInDesignドキュメントに、ページをめくっているようなアニメーション効果なども設定できる「Page Transitions」の設定画面ではメニュー上にカーソルを重ねることで効果を確認できる。Flashデータの書き出しの際には、新フォーマット「XFL」で書き出せる「Adobe Flash CS4 PRO(XFL)」メニューが搭載される。
また、Webコンテンツ上で機能するボタンなどもInDesign上で作成できるようになるという。ロールオーバーやクリックした際のアクションも、メニューから指定できるようになっている。ページを移動したり、映像や音声を再生するなど、さまざまなアクションを指定することができる。
ティム・コール氏は「電子マガジンの作成にあたりInDesignネイティブのレイアウトそのままにインタラクティブコンテンツが出せるのは、顧客のニーズにかなっていて、とても素晴らしいこと」と述べた。
日本語版では「欧文泣き別れ」を簡単に処理
アドビ システムズの岩本崇氏 |
セッションの最後に岩本氏からInDesign次期日本語版に盛り込まれる予定の機能が紹介された。次期日本語版では「欧文泣き別れ」を簡単に処理できる機能が追加されるという。本来欧文が行をまたぐ際にはハイフネーションで処理するが、英単語も日本語と同様に単語の途中で改行したいというニーズがある。これまでは、ひとつひとつ手作業で調整していたのだが、この機能が実装されればその手間から解放されることになる。単語の途中で改行する習慣は欧米にはない。この機能は日本語版のためにナット氏が開発したという。
また、従来のInDesign日本語版で文字を画像化する機能を「グラフィック化」としていたのを次期バージョンでは、よりユーザーになじみのある「アウトライン化」と改めることも明らかにした。
岩本氏は「InDesignは従来のペーパーメディアだけでなくWebコンテンツの出力、またその両方の中継地点として活躍するツールになってゆくだろう」と発言してセッションを締めくくった。