携帯電話向けOSを開発、提供する英Symbianは7日(現地時間)、パートナー向けプログラム「Symbian Partner Network(SPN)」を発表した。開発キットなどさまざまなリソースを提供することで、開発者の参加とエコシステムの確立を目指す。先月末に発表したSymbian Foundation設立に向けた準備といえる。

SPNは、これまでSymbianが提供してきたパートナープログラム「Platinum Partner Program」に代わるものとなる。主として、アプリケーション開発者やミドルウェア開発者、コンサルタントなどをターゲットにしたもの。

同プログラムに加入すると、技術、マーケティング、ビジネスの3つの分野の開発ツールやリソースにアクセスできる。技術リソースの例としては、「Symbian OS Binary Access Kit」があり、オープンソースとして公開する前にソースコードにアクセスできる。また、開発者ネットワークポータルSDN++にアクセスして独占コンテンツ「SPN Zone」を利用したり、フォーラム、Wiki、コラボレーションゾーン、専用のリクエスト管理システムなどを利用して、セルフサービスで技術サポートを得ることも可能だという。そのほか、技術ロードマップをはじめとしたドキュメントもいち早く入手できる。

マーケティングやビジネス支援としては、イベントへの参加、端末メーカーやオペレータとの関係管理などがある。

既存プログラムから価格を大幅に下げ、Platinum Partner Programでは年会費5000ドルだったのを、SPNは1500ドルにした。また、サインアッププロセスなど手続きも簡素化したという。

SPN開始を受け、Platinum Partner Programは8月中旬をもって終了する。Symbianでは今後、Platinum Partner Program参加者に対しSPNへの移行を呼びかける。

フィンランドNokiaは6月24日、Symbianの買収とSymbian Foudationの立ち上げを発表している。今回の発表は、来年を予定しているSymbian Foudationのスタートに向けたものといえ、米Googleの「Android」や米Appleの「iPhone」と対抗するにあたり、先に開発者の取り込みを図り、エコシステムを確立しようという狙いが伺える。