NECビッグローブは、新たにオンラインストレージサービスの戦略的な展開を行うことを発表。第1弾として7日より「PCバックアップサービス」の提供をBIGLOBE会員向けに開始した。
同サービスはBIGLOBEの個人向け接続サービス会員およびコンテンツコース会員を対象に提供されるもので、5GBあたり263円/月という低価格が特徴。容量は5GB単位で最大50GBまで拡張可能(50GBで2,625円/月)。ユーザーのPCにバックアップツールをインストールすることで、メール本文やブラウザのお気に入り、指定したフォルダのデータ等を自動的にデータセンターへバックアップする。バックアップはPCのシャットダウン時または設定した時間に実行され、前回からの差分のデータのみが処理される形となる。
同サービスの提供にあたっては、PCサーバを活用した分散ストレージと情報ライフサイクル管理システムを組み合わせることにより、低価格を実現したという。分散ストレージでは、Googleやmixi等のサービスで導入されているように、低コストのPCサーバで分散処理をさせるシステムによりストレージの単価を押さえ、さらに複数台のサーバへ同時に書き込みを行うことで冗長性を確保する。
また、今回提供されるサービスはバックアップ実行時にデータの差分だけがアップロードされるものであり、リアルタイムのレスポンスが重要視されるサービスとは異なる。このため、コストを重視して分散サーバで処理することが適切となる。逆に処理速度が重視される場合や、企業向けサービスで顧客の個人情報をバックアップするなど、重要度の高い情報を扱う場合は高性能でセキュリティの高いサーバを提供する。これが情報ライフサイクル管理システムの考え方だ。
これらの技術と、同社の持つシステム運用基盤やデータ管理のノウハウを活かすことで、安定性の高いストレージ基盤を低コストで構築することが実現したという。同社ではこのストレージを活用して法人向けサービスの展開も予定しており、今後2年間で3億円の売上を見込んでいる。また、これによりデータセンターの効率的な運用を行い、環境に配慮したサービスの提供を強化する考えだ。