ルネサス テクノロジは7日、自動車のエンジンやトランスミッションなどの制御向けに2.5MBのフラッシュメモリを内蔵したSuperHファミリ「SH72544R」を製品化したことを発表した。7月8日よりサンプル出荷を開始する。価格は9,800円。
同製品は、同社が2007年8月に製品化した3.75MBのフラッシュメモリ内蔵パワートレイン制御向けマイコン「SH72546RFCC」の量産展開製品の第1弾。SH72546RFCCと同じくスーパースカラ方式およびハーバードアーキテクチャ採用のCPUコア「SH-2A」を搭載し、最大動作周波数200MHz時で400MIPSの処理性能を実現する。
また、2.5MBのフラッシュメモリのほか、128KBのEEPROMと同様機能のフラッシュメモリをデータ格納用に搭載。これにより外付けメモリを不要としている。
さらに、フラッシュメモリには同社独自の技術を取り入れることにより高速化を実現しているほか、最適化した低消費電力動作のキャッシュ回路を搭載。これにより、消費電力の増加を抑えつつ200MHzで1サイクルアクセスとほぼ同等の性能を実現している。
このほか、エンジンやトランスミッションの制御に有用な多機能タイマユニット(ATU-III:Advanced Timer Unit III)に加え、12ビットA/D変換器、CANインタフェース、シリアルインタフェースなどの周辺機能やインタフェースを搭載し、高精度なリアルタイム制御を可能としている。
加えて、SH72546RFCCとパッケージ、機能を完全互換とすることにより、エミュレーションRAMを搭載することで、マイコンの動作中にアプリケーション上の制御パラメータの調整をリアルタイムに行うことができるSH72546RFCCを用いて開発を行い、最終製品への移行時にSH72544Rに置き換えるといった手法を取り入れることが可能となっている。