米Microsoftから検索部門の買収をもちかけられた米Yahoo!は、同部門が事業全体の要であるとして提案を断った。交渉打ち切り宣言が行われたものの、その後も交渉再開の噂や可能性を指摘する報道が続いている。そこで米HitwiseのアナリストのHeather Hopkins氏が同社のブログで、Webサイトシェアやトラフィックの流れのデータからYahoo!の検索事業の価値を考察している。
まず6月の米Webサイトシェアで、Yahoo!のトップ10サービスの市場シェアは、1.Yahoo! Mail (37.47%) 2.Yahoo!(30.62%) 3.Yahoo Search (12.10%) 4.Yahoo! Address Book(2.88%) 5.My Yahoo!(2.61%) 6.Yahoo! News (2.43%) 7.Yahoo! Finance (1.93%) 8.Yahoo! Games(1.09%) 9.Yahoo! Answers (1.09%) 10.Yahoo! Sports(1.00%)となっている。
20位のYahoo! Shoppingでもシェア0.54%だ。ポータルや検索、アドレスブックを軸に各サービスがまんべんなく訪問者を獲得しているのが分かる。市場シェアを基にすると、「Yahoo!はまとまるほどに価値が高まる。各パーツよりも、その集合体の影響力の方が大きい」とMicrosoftとの買収交渉におけるYahoo!の判断を認める。
ところがYahoo!の各サービスへのsearch.yahoo.comとwww.google.comからのトラフィックを比較すると意見が変わってくる。例えば、answers.yahoo.comは49%がGoogleからであるのに対して、Yahoo! Searchからは20%にとどまる。hotjobs.yahoo.comは、Googleからが約7%、Yahoo! Searchからは約3%。人気の写真共有サービスFlickrは、Googleからが約13%、Yahoo! Searchからが約5%となっている。さらにYahoo! MailやYahoo.comまでもがYahoo! SearchからよりもGoogleからのトラフィックの方が多い。
2つのデータを総合してHopkins氏は、「Yahoo!にとって現段階で全ての維持と分割のどちらが得策であるかは判断できない。ただしYahoo!のパーツに大きな価値があるのは明らかであり、検索エンジンがなければ、その価値が失われるとは限らないようだ」とまとめている。