日本電気とNECインフロンティアは3日、POS端末の新製品群「TWINPOS5000シリーズ」を発表した。ベースモデルのほか、電子マネー決済専用のセルフPOS端末、小規模店舗向けの小型モデルを用意。ワールドワイドで展開し、3年間で25万台の販売を目指す。
両社が今回発表したのは、「TWINPOS5500Ui」「TWINPOS5100Mi」「TWINPOS5500Si」の3機種だ。いずれもOSに「Windows Embedded for Point Of Service(WEPOS)」を搭載し、マルチ言語に対応。中国、北米、東南アジア各国の標準規格にも準拠している。「グローバル化が進む流通業界のニーズに応えた」(日本電気 執行役員 木下学氏)かたちだ。
NECでは、これらの端末を軸に流通向けソリューション事業を強化。海外進出する日本の小売業および各国の小売業を積極的に取り込み、2010年に流通業界全体で年間2000億円の売上を見込む。
TWINPOS5500Ui
今回発表された3製品のうち、ベースモデルに該当するのがTWINPOS5500Uiである。同モデルは、前述のグローバル化のほか、セキュリティ対策やデザインにも力が入れられている。
なかでも、NECインフロンティア 執行役員の古村浩志氏が強調したのがデザイン面だ。「『お店に美しく馴染むインテリアPOS』をコンセプトに、"お客さまから見えるフォルムを美しくすること"、"お店のインテリアに馴染むこと"、"お客様へのメッセージを効果的に伝えられること"という3点を重視してデザインした」(古村氏)という。
具体的には、状態(待機中、バーコード読み込み完了など)に応じてさまざまな色を発光できるLEDイルミネーションライトを搭載したほか、ディスプレイ側面には好みの色のサイドカラーパネルを配置することが可能だ。また、マザーボードが格納されたディスプレイ背面を緩やかなカーブで覆うなどといった細かい配慮もなされている。加えて、POS背面およびカスタマディスプレイ(商品名、値段等を代金支払い者に知らせる画面。上記写真の左上部分)下部にメッセージポケットを設け、各種お知らせを効果的に伝えるスペースを用意している。カスタマディスプレイに表示する文字のフォントを変更することも可能だ。
セキュリティ対策面では、「SolidProtect for POS」というPOS専用のウィルス対策ソフトを搭載。許可されないファイルのコピーやプログラムの実行、メモリの改ざんを防ぐ機能を備えており、パターンファイルの更新やバージョンアップが一切不要になるという。また、稼働状況を監視し、モバイル通信で通知するソフトウェアも搭載されており、故障が発生する前に部品の寿命などを察知することができる。
さらに、待機電力を従来機種に比べ40%削減したほか、構造材料を従来比50%削減、梱包材料も従来比30%削減しており、「地球環境にも配慮した製品」(古村氏)という。
なお、カラーはホワイトとブラックの2種類。いずれも12インチディスプレイ版と15インチディスプレイ版が提供される。価格は77万円~。10月1日により出荷が開始される。
TWINPOS5500Si
TWINPOS5500Siは、電子マネー決済専用のセルフPOS端末(利用者が自分で支払いを済ませるタイプのPOS端末)である。音声とタッチパネル式液晶モニタによるガイダンス機能を搭載。初めての利用者でも迷わず使えるよう「丁寧なガイドを心がけた」(古村氏)という。
設置面積はA4サイズと省スペース化を実現。スキャンエリアを最下部に設け、斜め上からセンサーを照射しているため、「商品を高く持ち上げる必要がないうえ、お弁当も水平にしたままバーコードを読み取れる」(古村氏)。
また、数多くの種類の電子マネーに対応しているが、ICカードを読み込んだ際には対応する種類の電子マネーのみが表示される仕組みになっている。さらに、酒類などの年齢制限製品が読み込まれた際には、有人カウンターへ誘導する機能も用意されている。
同モデルは2009年1月13日よりオープン価格で出荷される。
TWINPOS5100Mi
TWINPOS5100Miは小規模店舗向けの小型モデルだ。幅290mm×奥行230mm、従来機種に比べて専有面積を70%削減している。
売上入力機能や在庫管理機能などの最小構成になっており、ベースモデルに比べて20万円程度安価におさえられている。店舗数の少ない企業や小規模店舗に向けて提供していくという。
ホワイトとブラックの2種類が用意され、10月1日より出荷が開始される。