総務省の情報通信政策研究所は2日、「ブログの実態に関する調査研究結果」を発表した。これによると、2008年1月現在、インターネット上で公開されている国内のブログの総数は約1,690万で、1カ月に1回以上記事が更新されているアクティブなブログは2割弱。2001年以降の記事総量は書籍約2,700万冊分に相当することが分かった。

同研究所が現在まとめているブログの実態に関する調査報告書では、米国の調査会社による調査結果を紹介。これによると、2007年4月現在、世界のブログ総数は約7,000万あり、うち日本語が約37%、英語が36%、中国語が約8%で日本語で発信するブログがトップとなった。情報通信政策研究所はこの調査結果を見て、国内調査の必要性を認識。今回、国内初となるブログの本格的な実態調査に踏み切った。

調査はネット上の情報を自動収集する「クローラー」を用いて実施。さらにそれを補充するため、今年2月15日~18日の4日間、15歳以上のブログ開設経験者を対象にアンケート調査を行い推計した。

調査結果によると、2008年1月現在、ネット上で公開されている国内のブログの総数は約1,690万で、記事総数は約13億5,000万件。このうち、1カ月に1回以上記事が更新されているアクティブなブログの数は約300万で、ブログ総数の2割弱に相当する。

また、2001年1月以降に開設されたブログ総数は累計で約2,240万(既に削除済のものを含む)に上り、記事総数は約17億9,000万件、データ総量は54テラバイト。これは「書籍約2,700万冊分」の情報量に相当するという(書籍1冊当たりのデータ量を457キロバイトとして換算)。

1記事当たりの画像ファイル、音声・動画ファイルの掲載数は、2004年~2006年にかけて増加。これらにより、ブログコンテンツが豊かになる傾向にある。2006年以降は、1記事当たり0.6ファイルで推移している。

一方、ブログ開設経験者を対象としたアンケートによると、ブログの付加機能の利用については、「コメント」が最も多く全体の約8割が利用。「トラックバック」は約半数、「アフェリエイト」「写真・動画の投稿」「テンプレートのカスタマイズ」は、それぞれ約3割程度が利用している。

また、ブログ全体の12%が、検索エンジンからのアクセスを増やすためにキーワードを大量に埋め込んだ広告誘導型ブログや、他のブログから掲載内容をコピーして作成されたブログなどの「スパムブログ」であることも分かった。

さらに、ブログ開設の動機については、自己表現やストレス解消などの内面的効用を重視する「自己表現重視」が全体の30.9%を占め最多。その他、ブログを通じたコミュニケーションを重視する「コミュニケーションの形成重視」が25.7%、自己の情報を整理・蓄積することを重視した「アーカイブ型利用」が25.0%を占めた。